(ブルームバーグ): 政府は13日、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象地域に大阪、兵庫、京都、愛知、岐阜、福岡、栃木の計7府県を追加した。期間は14日から2月7日まで。

  菅義偉首相は対策本部や記者会見で、首都圏や関西などで感染者が急増していることに「強い危機感」を持っており、大都市圏から全国に感染が広がる前に対策を講じる必要があると述べた。今回の措置は「厳しい状況を好転させるためには欠かせない」とも話した。

  中国や韓国など11カ国・地域との間で合意しているビジネス関係者の往来に関しては、緊急事態宣言の発令中は一時停止する方針を明らかにした。

  政府は7日に東京など1都3県に緊急事態宣言を発令しており、飲食店営業時間の午後8時までの短縮、不要不急の外出自粛やテレワークによる出勤者数7割削減などを求めている。 

  今回の追加で、対象は三大都市圏を含む計11都府県に拡大する。内閣府によると、対象地域の経済規模は全国の6割を占め、1都3県の時からほぼ倍増する。

  SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは、21年の実質国内総生産(GDP)は、宣言直前の20年10−12月期の水準に比べ2.8兆円程度減少し、GDPを0.5%程度押し下げると試算。ただ、最終的に全国に拡大した昨年の宣言時に比べると、対象地域が限られ、発令期間が1カ月程度と短いことなどから、影響は10分の1程度となるという。

  また、みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは、対象地域の追加で経済損失は月0.6兆円から月1.2兆円に拡大すると試算した上で、仮に全国に拡大した場合は損失額は月約2兆円まで膨張すると分析。損失額は前回に比べて限定的にとどまるが、今回の措置では十分な感染抑止効果が上がらず、期間延長、自粛要請の強化などが今後も選択される可能性が高いとの見方を示した。

  

  首都圏への緊急事態宣言発令後も、感染者数は全国で高水準で推移している。東京都では13日、新たに1433人(前日970人)の感染が確認され、治療中の重症者は141人(同144人)となった。大阪府では、8日に過去最多の654人を確認した。

  コロナ対策と経済の両立を重視してきた菅政権だが、感染拡大を受け、支持率は4割前後に落ち込んでいる。NHKが9−11日に行った世論調査によれば、菅内閣を「支持する」と答えた人は40%、「支持しない」と答えた人は41%で、昨年9月の発足以降初めて支持と不支持が逆転した。

(菅首相の記者会見の内容を追加し、更新しました)

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