(ブルームバーグ): 日本銀行が3月をめどに公表する金融緩和策の点検では、上場投資信託(ETF)の買い入れ方法の一段の柔軟化が見込まれている。エコノミストの多くは点検は微調整にとどまるとみている。

  ブルームバーグが44人のエコノミストを対象に7−13日実施した調査によると、66%が点検を踏まえた政策の変更は「微調整」にとどまると回答。具体策としては、ETF買い入れの柔軟化の可能性を88%が指摘した。

  ETF購入について三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員は、「日銀の購入が株式市場の過熱感をあおるとともに、技術的な購入の上限に近づきつつあるという問題も踏まえ、金融緩和の後退と捉えられないような形で修正すると考えられる」と語った。  日経平均株価は14日、1990年以来の高値を更新した。日銀によるETF購入はもはや必要ないとの声が強まる可能性がある。  前日本銀行理事の前田栄治ちばぎん総合研究所社長はブルームバーグとのインタビューで、ETF購入はバブル崩壊後の最高値更新が続く現在のような状況では控えるなど、株価水準も意識した一段とメリハリをつけた買い方になる可能性があるとの見方を示した。

  エコノミストの45%は、日銀が経済の成長力強化を支援するための新たな手段を3月に導入すると予想。そうは思わない、どちらとも言えないとの回答はそれぞれ27%だった。

  みずほ総合研究所の長谷川克之チーフエコノミストは、菅義偉政権が掲げるグリーン化やデジタル化を後押しすることも「成長分野への企業の投資を促し、日本経済の成長力強化につながる」とし、金融機関に対するマイナス金利での貸し出しなどが一案と指摘する。

  黒田東彦日銀総裁は先月、現行の緩和策の枠組みや物価目標などは変更せず、イールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)政策の運営やETFなどの資産買い入れの方法が対象になると語った。  エコノミストの約半数は3月の金融政策決定会合でYCCの運営が見直されることは想定していない。一方、日銀が「イールドカーブのスティープ(傾斜)化を促す考えを表明」「国債取引を活発化するための何らかの措置を発表」するとの予想はそれぞれ約20%だった。  

  点検結果を踏まえた金融政策は、微調整にとどまらないと回答したエコノミストも11%いる。今年に入り新型コロナウイルスの感染拡大を受けて11都府県に緊急事態宣言が再発令されるなど、景気の先行き不透明感が一段と強まる中、法政大学大学院の真壁昭夫教授は「追加的な金融緩和策の強化などが打ち出される」との見方を示した。

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