(ブルームバーグ): 日本銀行の黒田東彦総裁は16日の衆院財務金融委員会で、上場投資信託(ETF)の買い入れについて「やめたり、出口を考える状況にはない」との見解を示した。

  日経平均株価が30年半ぶりに3万円台を回復していることに関して総裁は、株価は企業収益や経済の先行きを勘案して決まるものであり、今後も世界経済の持ち直しが続くとの市場の見方を反映していると説明した。もっとも、株価が行き過ぎかどうかは「後になってみないと分からない」と語った。

  15日の東京株式市場では日経平均が終値で1990年8月2日以来の3万円台を回復し、TOPIXは6連騰となった。新型コロナウイルスのワクチン接種進展や原油市況高から景気の先行き期待が高まり、16日も株価は上昇している。

  黒田総裁は、ETF買い入れは大規模緩和の一環であり、特定の株価を目指している訳ではないと説明。すでにメリハリのある柔軟な買い入れを行っているとしたが、ETF買い入れを含めた金融緩和の出口を「具体的に検討する局面ではない」とし、目標に近づいた段階で出口戦略や方針を議論すると述べた。

  足元の世界・日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響で「ダウンサイドリスクは無視できない」と指摘。金融政策運営にあたっては、経済・物価や金融市場の動向を注視して適時適切に対応するとした上で、「金融の潜在リスクに十分に注意を払って適切に政策運営していく」と語った。

(黒田総裁の発言を追加して更新しました)

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