(ブルームバーグ): 債券利回りが上昇するのに伴い、米株式市場では犠牲者が続出している。

  23日の米株市場ではハイテク銘柄中心のナスダック100指数が6営業日続落し、時価総額は約1兆ドル(105兆円)吹き飛んだ。成長株の月間パフォーマンスは、バリュー株との比較でインターネットバブル期以降で最悪となったほか、特別買収目的会社(SPAC)や新規株式公開(IPO)銘柄など投機色の強い分野には厳しい逆風が吹いている。これらの背景にあるのは、1年ぶり高水準に達した米10年債利回りの上昇だ。

  FBBキャピタル・パートナーズの調査責任者、マイク・ベイリー氏は「こうしたハイテク株のミニ崩壊は複数イベントの同時発生がきっかけだ。安定したワクチン接種、経済ファンダメンタルズの改善、企業業績の上振れ、さらに追加財政刺激策も控えている」と指摘。「そこに金利の急上昇が重なっている」と述べた。

ヘビーローテーション

  金利とインフレ期待の上昇が株式市場に一様に打撃を与えている訳ではない。水面下ではむしろ、高値の成長株からバリュー株へのローテーションが進んでいる。23日午前にはS&P500バリュー株指数が月初来で一時6.7%高となった一方で成長株は下落し、月間ベースでバリュー株がここまで上回ったのは2000年12月以来となっている。

不運なタイミング

  バンク・オブ・アメリカ・グローバル・リサーチがまとめたEPFRグローバルデータによると、テクノロジー株のファンドには過去6週間で史上最高の190億ドルが流入していた。そうした中、23日の米株市場でS&P500種の情報技術セクターは6営業日続落し、19年8月以来最長の連続安を記録した。

  ジョン・ハンコック・インベストメント・マネジメントの共同最高投資ストラテジスト、エミリー・ローランド氏は「テクノロジー株は間違いなく追い詰められており、すべては金利上昇の環境に関係している。ここから計算が変わり始める」とブルームバーグテレビジョンに語った。

足の速い資金が売りに

  ヘッジファンドが多く保有する銘柄が売られており、相場下落の背後には足の速い資金の存在もありそうだ。投資家心理の悪化を受け、デイトレーダーの買いを集めていた銘柄も売られている。リテール投資家に人気の銘柄を集めたゴールドマン・サックス・グループのバスケットは約3%下落し、今年に入って2番目に悪いパフォーマンスとなった。

  熱狂的な買いはパニック的な売りに急速に変わりつつある。今月に入り、株式ファンドには過去に例を見ないペースで新規資金が流れ込み、ヘッジファンドは株式のポジションを過去最高水準に引き上げていた。

SPACにも広がる売り

  幅広いSPACのパフォーマンスを追跡するIPOX・SPAC指数も23日に続落。下げ幅は一時11%超と過去最大を記録した。6メリディアンのアンドルー・ミース最高投資責任者(CIO)は電話インタビューで、「今年に入って驚異的な数のSPACが毎日のように上場しているため、この資産クラスの輝きと魅力は失われる可能性がある」と指摘。「上場する必要がある優れた企業はそんなに多くない」と語った。

(第7段落以降を追加して更新します)

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