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ソフトバンク傘下のZホールディングス(ZHD)は1日、LINEとの経営統合が完了し、新体制がスタートした。ショッピングなどのコマース、フィンテックなどに経営資源を集中する考えで、QRコード・バーコード決済事業のペイペイとLINEペイを2022年4月に統合させるため、協議を開始した。

  モバイルマーケティングのMMD研究所の1月の調査によると、QRコード決済で最も利用されているのはペイペイ(43%)で、LINEペイは5位(4.6%)となっている。

ZHDがペイペイとLINEのQRコード決済事業を統合へー関係者

  ZHDではコマースやフィンテックのほか、ローカル・パーティカル、社会の4領域に注力し、2023年度に売上高で2兆円、営業利益は過去最高となる2250億円を目指す方針だ。

  同日夕に会見した共同最高経営責任者(Co−CEO)の川辺健太郎社長は、「全ての事業でAI(人工知能)を実装する」と述べ、5年間で5000億円の投資を行うほか、AI活用のため5000人のエンジニアを増員する考えを明らかにした。また、来年度からは新卒採用も倍増させるという。

時価総額は5兆円超

  ZHDはLINE1株につき11.75株を割り当てる株式交換を実施し、発行済株式数は48億株から77億株に増えた。1日のZHD株は前週末比3.1%高の668.5円と反発し、時価総額は5兆1175億円となった。

  ZHDはインターネット検索のヤフーを事業会社として抱え、電子商取引や電子決済、金融事業などを展開し、LINEはメッセージアプリを中心に金融やコンテンツ販売などを手掛けている。世界のインターネット市場は米国、中国企業が圧倒的優位の状況にあり、今回の統合を通じ事業領域の強化や新領域への成長投資を行い、海外勢に対抗する。

  LINEの商号は2月28日にAホールディングス(AHD)に変更された。ソフトバンクと韓国のネイバーはAHDを戦略的持ち株会社として位置付け、株式を50%ずつ保有する。AHDは上場会社のZHD株式の65.3%を保有し、ZHDの下にヤフーと事業承継会社の新LINEがぶら下がる形になった。

  新商号は、英語で全部を表す「AtоZ」や人工知能(AI)を活用した事業領域、アジアへの事業展開に注力する姿勢などに由来する。AHD社長にはソフトバンクの宮内謙社長、会長にはネイバー創業者の李海珍氏が就く。

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