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米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事は、経済成長や消費の見通しは改善し始めているものの、大規模債券購入のペース減速に向けて米金融当局が示した条件を満たすには、「しばらく」時間がかかるとの見解を示した。また、最近の債券市場の不安定な動きによって、さらにずれ込む可能性があると指摘した。

  ブレイナード理事は講演後の質疑応答で、「市場の動向に非常に注意を払っている」とし、「先週のこうした動きの幾つかと、動きのスピードは私の注意を引くものだった」と語った。その上で、秩序を欠く状況や、金融情勢の持続的な引き締まりを目にすれば懸念すべきことだと述べ、そういう状況になれば最大限の雇用と持続的な2%のインフレ目標の実現に向けた経済的進展は失速しかねないと警告した。

  米10年債の急上昇を受けて、こうした動きによって回復が損なわれることがないよう、債券購入プログラムの対象を期間が長めのものにシフトするなどして金融当局が対策を講じるのではないかとの観測が台頭している。

ツイストオペ再開の議論が台頭−イールドカーブの機能不全で

  TDセキュリティーズの金利戦略グローバル責任者、プリヤ・ミスラ氏はブレイナード理事の発言について、債券利回り上昇の「全てが良い理由によるわけではない」との点を「FRB当局者として最初に認めた」とし、市場の動きは経済回復への信頼を示すものだとするパウエルFRB議長の見解とは対照的だと指摘した。

  ミスラ氏はさらに、「金融情勢の急速な引き締まりがあれば、連邦準備制度は行動を起こし、事態の悪化を防ぐと明言している形だ」との見方を示した。

目標からほど遠い

  ブレイナード理事はこれに先立ち、外交問題評議会(CFR)がバーチャル形式で開いたイベントで講演し、「ワクチン接種の増加に加え、実行済みおよび予想される財政投入、緩和的な金融政策は2021年の見通しが力強いことを示している」と発言。一方、いかなる予測も依然「かなりの」不確実性が伴うと話した。

  同理事は金融当局が示した資産購入調整の基準に言及し、「雇用とインフレ両方の観点において、足元の経済は米金融当局の目標からほど遠い状況が続いている。一段と顕著な進展を遂げるにはしばらく時間がかかる」と述べた。

  「ワクチン接種が十分に普及し、対面サービス活動の全面再開につながる局面において、追加の財政投入による支援は消費を著しく後押しする可能性が高い」とも語った。

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