(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、米経済への積極的な支援を続けると約束している。今週公表される連邦公開市場委員会(FOMC)参加者による最新の四半期経済予測では、他の当局者がどの程度、こうした議長のコミットメントを共有しているか示されることになりそうだ。

  16、17両日開催のFOMC会合は、政策金利をゼロ近辺に据え置くとともに、月額1200億ドル(約13兆円)の債券購入を続ける方針をあらためて示すことがほぼ確実視されている。米東部時間17日午後2時(日本時間18日午前3時)に声明と経済予測が公表され、2時半からパウエル議長が記者会見する。

  米経済が新型コロナウイルス禍に伴う落ち込みから力強く回復するとの期待を背景に、四半期経済予測の中でも特に当局者の政策金利見通しを示す金利予測分布図(ドット・プロット)に強い関心が寄せられている。

  ブルームバーグが実施した調査では、2023年いっぱいは利上げはないとの予想が引き続き示されるものの、FOMC参加者18人(FRB理事1人が空席)中でドット(点)を上方修正する当局者は増える可能性があると、エコノミストの3分の2が回答した。

  昨年12月の経済予測では、当局者1人が22年中に1回の利上げを予想し、5人が23年末までに少なくとも1回の利上げを見込んでいることが示されていた。

  ピクテ・ウェルス・マネジメントの米国担当シニアエコノミスト、トーマス・コスターグ氏は「私を含め大多数の人々が最初に注目するのは23年中に1回の利上げがあるかどうかで、それが主なリスクだ」と指摘。「そのようになれば、パウエル議長がこれまで維持してきたハト派路線が崩れることになる」と語った。

  ウォラーFRB理事は昨年12月、前回のFOMC予測がまとめられた後に就任。今回の予測に初めてその見通しが加えられる。セントルイス連銀調査局長だったウォラー氏はハト派と見なされている。

  FOMC声明とパウエル議長の記者会見での注目点は次の通り。

見通し上方修正

  経済見通しの改善に伴い、米国債利回りはこの1カ月間に上昇している。新型コロナワクチン接種の進展と1兆9000億ドル規模の追加経済対策の成立を受けて、米経済成長率やインフレ率、雇用情勢についての民間見通しは大幅に上方修正されている。

  また投資家の間では、金融当局がこれまで示唆してきたよりも利上げ開始の時期が早まるのではないかとの観測が高まっている。

  ブルームバーグがエコノミストを対象に行った調査によれば、追加経済対策と見通し改善を反映させる形で当局者は今年の米国内総生産(GDP)伸び率予想を約6%に上方修正することになりそうだ。インフレ率予想も若干引き上げられる一方、労働市場見通しはほぼ据え置かれると見込まれている。

FOMC声明

  声明は経済見通しの改善を認める一方で、金利ないし資産購入についてのガイダンスに変更は加えられない公算が大きいと、エコノミストはみている。このほか、米国債利回り上昇は景気回復を受けたものであるとの見方を反映し、金融環境は引き続き「緩和的」と表現されることになりそうだ。

記者会見

  パウエル議長は、米国債相場の秩序を欠いた動きや金融環境全般の引き締まりがあれば懸念するだろうとの認識を重ねて表明し、利回り上昇をやんわりと押し返そうとするかもしれない。さらにドット・プロットで利上げを見込む当局者が増えた場合は特に、ドット自体の重要性に否定的な考えを示す可能性もある。

  スティーフル・ニコラウスのチーフエコノミスト、リンゼー・ピエグザ氏は議長会見に関し、「最近の市場のボラティリティーを巡る金融当局の認識についてと、それが無秩序と見なされるかどうか、そして秩序を欠いていると判断するのであれば当局としてそれにどう対処する計画か、詳しく説明する機会となる」と話した。 

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