(ブルームバーグ):

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は17日、このところの米国債市場の変調について、懸念に当たらないとの認識をあらためて表明した。一方、2023年中の利上げを見込む米金融当局者の人数は昨年12月時点よりも2人増えた。

  ほんの数週間前であれば、このどちらの出来事も市場の動揺を招くのに十分なインパクトがあったかもしれない。だが17日の米金融市場で株価は上昇し、国債利回りは上げ幅を縮小した。ハト派姿勢を維持するとの金融当局のメッセージの方が材料視された形だ。

  同日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合後に公表された最新の四半期経済予測によれば、23年中に少なくとも1回の利上げを予想する当局者は18人中7人と、昨年12月の前回予測の17人中5人から増加した。

  しかし、こうした予想は依然少数意見であるとパウエル議長が指摘したのを受けて、ナスダック100指数は上昇に反転。債券購入プログラムの縮小は検討を開始する時期にもなっていないとの議長発言を好感し、1年強ぶりの高水準を付けていた10年債と30年債の利回りの伸びは縮小した。

  FBBキャピタル・パートナーズの調査責任者、マイク・ベイリー氏は「23年いっぱいは低金利が続くとの予想が示され、投資家は株式市場について少なくともあと2年間は、混じりけのないカフェインのような興奮作用を強く期待している」と話した。

  早ければ23年中の利上げを予想する当局者の増加幅は小さかったものの、少なくとも経済予測の内容が伝わった当初の段階では市場の関心を引き、米国債利回りが早い段階で一時上昇した一因とも理解される。

  ただ、ワラックベス・キャピタルのシニアストラテジスト、イリヤ・フェイギン氏は「そうした推論は間違っていると考えられ、無視すべきではないか。いったん騒ぎが収まったら、10年債利回りは1.60%ないしそれを下回る水準が予想される」と話した。

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