(ブルームバーグ): 世界各国・地域の中央銀行や政府が新型コロナウイルス禍に対応する刺激策からの出口戦略に動き出した際に何が起きるのか。中国株式市場が大幅下落を通じて世界に伝えている。

  国内の景気回復を巡る楽観的見方から一転して金融政策の引き締め方向への転換を巡る懸念が広がり、本土株のCSI300指数は先月付けた13年ぶり高値から約15%下落。同指数は今月、MSCIオールカントリー・ワールド指数に2016年以降で最も大きく水をあけられ、人気を集めていた株式投資信託の運用成績も大きな打撃を受けた。

パニックも起きた中国株急落−人気集めた株式投信、一部で解約も

  一部の中銀は昨年の複数回の利下げや巨額資金供給後の影響への対応を迫られている。米連邦準備制度や欧州中央銀行(ECB)は緩和策をしばらく続ける方針だが、インフレリスクを受けて行動せざるを得ない中銀もある。ブラジル中銀は先週、20カ国・地域(G20)で最初の利上げに踏み切り、トルコとロシアがこれに続いた。ノルウェー中銀もタカ派姿勢を強めている。

  投資家は先月から米経済成長や消費者物価の加速を織り込み始め、米金融当局が利上げを迫られる時期の見通しを前倒しする動きが出ている。これはナスダックなど割高感のある市場のテクニカルな調整を意味するが、中国を上回るペースで値下がりしている世界の主要株価指数は存在しない。

  ナットウエスト・マーケッツの中国担当エコノミスト、劉培乾氏(シンガポール在勤)は、中国がコロナ禍に一番早く見舞われ、そこから脱するのも一番早かったことを考えると、本土株式相場の大幅な下げは景気刺激の出口における世界共通の課題を浮き彫りにしている可能性があると指摘した。

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