(ブルームバーグ): 中国国債が市場混乱時のセーフヘイブン(安全な避難先)として米国債と競うことができるのかという論争で、中国側につく投資家が増えている。

  運用資産が1000億ドル(約11兆円)近いアシュモア・グループは7日、戦略的ポートフォリオで中国債を支持するリポートを公表。世界的に債券市場が売りを浴びた1−3月(第1四半期)に中国国債が堅調な成績だったことを理由に挙げた。

  アシュモアの調査副責任者グスタボ・メデイロス氏は「債券保有者が新たに信頼できるセーフヘイブンとしての中国の台頭は、唯一の避難場所としてのドルと米国債の地位を徐々に崩していく」と指摘した。

  米国債相場の下落で投資家はポジションの再検証を強いられ、そうした中で中国債への関心が広がっている。JPモルガン・アセット・マネジメントやブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントの投資家も中国債選好を明らかにしており、中国が生き残り可能なヘイブンになり得るとの認識を支持している。

  ピクテ・アセット・マネジメントのチーフストラテジスト、ルカ・パオリーニ氏は、長期的に中国債がアウトパフォームする可能性は十分にあるとみている。中国国債は今年ドルベースで0.7%値上がりし、10年債の利回りは3.2%と、米国債のほぼ倍だ。中国人民元は2020年、新興国市場通貨の中で3番目の好成績で、今年の対ドル0.2%安は、新興国通貨としては最も小さな下げにとどまる。

  同氏は「バリュエーションや大きな責任を担う中央銀行、フロー、インフレ率減速を考えると、中国に対し非常に楽観的な長期的な見方をしている」と述べた。

  こうした見解には、もちろん異論もある。中国国債市場は21兆ドル規模の米国債市場と全く異なる。比べものにならない規模の小ささだけでなく、国際的なファンドが中国国債市場にアクセスするには厳しい書類審査を経る必要がある。

  FTSEラッセルは債券の旗艦指数「FTSE世界国債インデックス」(WGBI)に中国国債を1年間で組み入れる予定だったが、市場参加者の意見を踏まえ3年間とすることを決めた。中国はまた、金融レバレッジの急拡大を抑制しようと検討しており、これは中国人民銀行(中銀)が借り入れコストを高めに誘導し得ることを意味する。

  アクサ・インベストメント・マネジャーズのアジア債券責任者ジム・ベノー氏は、中国を「まだセーフヘイブンと呼ばない。市場は引き続き部分的に閉鎖・管理されており、中国は依然としてレバレッジ解消の極めて初期段階だ。このプロセスは貿易戦争と新型コロナウイルスで先延ばしされていた」と語った。

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