(ブルームバーグ): 安川電機は9日、今期(2022年2月期)の連結営業利益が前期比55%増の420億円となる見通しだと発表した。自動車や半導体・電子部品市場での着実な需要回復が寄与する。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均の441億円を下回る。米中貿易摩擦などの影響から中期経営計画の目標値を下方修正した。

  発表によると、今期の事業別営業利益はモーションコントロールが前期比35%増の331億円、ロボット事業が同69%増の117億円と見込んでいる。

  同時に発表した中期経営計画(19年−21年度)の見直しでは、最終年度を22年度まで1年延長し目標を売上高4700億円(従来は21年度で5400億円)、営業利益610億円(同700億円)とした。営業利益率13%、株主資本利益率(ROE)15%以上に変更はないが、達成時期を1年先送りした。

  小笠原浩社長は決算会見で、中計見直し理由について、米中貿易摩擦とコロナの影響を挽回するほど市場回復がないと説明。村上周二専務は従来21年度までの3年間で1000億円としていた設備投資計画を19−22年度で1070億円に修正すると述べた。

  ACサーボや産業用ロボットなどを手掛ける安川電は、自動車や半導体、スマートフォンメーカーなど幅広い顧客を抱える。決算発表が主な製造業より約1カ月早く、先行指標に位置付けられる。

  自動車業界は、新型コロナウイルスの影響で昨秋から初夏にかけて減産した後、市場が回復しているが、世界的な半導体不足で生産調整を迫られている。半導体メーカーは増産に動いているが、スマホやデータセンター向けの需要好調もあり、車載向けを中心に供給がひっ迫している。

  第4四半期(20年12月−21年2月)の受注は前年同期比20%増と11四半期ぶりにプラスとなった。

  小笠原社長は前期の売上高増加は、中国市場の回復が背景にあり、コロナ需要で「まずマスク製造装置関連で動き」があり、その後5G(第5世代通信規格)や家電向けが伸び、後半にかけてEV(電気自動車)バッテリー市場向けが好調だったと説明した。半導体不足については、当面の生産に影響はないとの認識を示した。

  日本工作機械工業会によると、2月の工作機械受注額は前年同期比37%増の1056億円で、19カ月ぶりに1000億円を上回った。21年は前年比33%増の1兆2000億円を見込む。 

(社長のコメントを追加し更新します)

©2021 Bloomberg L.P.