(ブルームバーグ): 8日の米株式相場は上昇。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長はこの日、経済再開に伴うインフレ上昇は一時的なものになるとの見通しをあらためて示し、米金融当局にはいかなる物価上昇圧力も抑制する手段があると述べた。

  薄商いの中、S&P500種株価指数は連日で最高値を更新。アップルやテスラといったハイテク大手の上昇を背景に、ナスダック100指数は他の主要株価指標を上回るパフォーマンスとなった。一方、エネルギー関連銘柄や銀行株は下落。

  S&P500種は前日比0.4%高の4097.17。ダウ工業株30種平均は57.31ドル(0.2%)高の33503.57ドル。ナスダック総合指数は1%上昇。ニューヨーク時間午後4時59分現在、米10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.62%。

  パウエル議長は、インフレ期待が当局が安心だと感じる水準を持続的かつ著しく上回る場合、当局は行動するとの見解を示した。世界的に不均衡なワクチン接種が景気回復進展へのリスクだとも指摘し、「現在の回復は不均衡で不完全なままだ」とも述べた。前日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、金融政策の軌道に関してハト派的なトーンが示されていた。

  OANDA(オアンダ)のシニア市場アナリスト、エド・モヤ氏は「ハト派が主導権を握っており、この日のパウエル議長の慎重な発言は超緩和的スタンスをあらためて示すものだった」と語った。

  外国為替市場ではドルが下落。米国債利回りの低下を背景に、円は2週間ぶりの高値となった。パウエルFRB議長はインフレが急上昇して制御不能になる事態は想定されていないとし、必要に応じて当局が措置を講じると述べた。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%低下。ドルは対円で0.5%安の1ドル=109円26銭。一時は0.8%安の109円ちょうどを付ける場面もあった。ユーロは対ドルで0.4%高の1ユーロ=1.1914ドル。

  ニューヨーク原油先物相場は反落。世界的な景気回復への課題が意識された。ただ、北海ブレント先物は期近物の方が高い逆ざやとなるなど、市場の基調は強気を維持している。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物5月限は17セント(0.3%)安の1バレル=59.60ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント6月限は4セント高の63.20ドル。

  金相場は上昇。スポット価格は約5週間ぶりの高値を付けた。ドルが下落したことから、金の買いが優勢になった。

  金スポット価格はニューヨーク時間午後1時59分現在、前日比1%高の1オンス=1754.98ドル。一時は1758.77ドルと、3月1日以来の高値に達した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は1%高の1758.20ドルで終えた。

USD, Yields Drop as Powell Rejects Inflation Talk: Inside G-10(抜粋)

Oil Closes Lower With Underlying Market Structure Holding Firm(抜粋)

Gold Climbs to Five-Week High, Copper Extends Gains on Fed View(抜粋)

(相場を更新し、パウエル議長発言と市場関係者のコメントを追加します)

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