(ブルームバーグ): 世界の他の地域をしのぐパフォーマンスを昨年見せたアジア株の魅力が薄れつつある。

  ワクチン接種のペース加速に伴い、アジア株は今後も世界の株式相場をリードすると年初は期待されていたが、中国株の下落とドル高を巡る懸念で、今やそうした確信が揺らいでいるようだ。 米国と欧州の株価指標の年初来上昇率はいずれも10%近いが、MSCIアジア太平洋指数は3.3%にとどまっている。

  最近の米国債の実質利回り急上昇でリスク資産が圧迫され、運用担当者がポートフォリオの地理的・周期的エクスポージャーの見直しに動き、アジア新興国・地域の投資家にとって通常マイナスに働くドル上昇の可能性も高まりつつある。世界の主要株価指標と比較した中国株のパフォーマンスは2016年以降で最も悪く、センチメントが悪化している。

  ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのポートフォリオマネジャー、ニック・ワトソン氏は「中国のより支援的な政策やリフレ的な市場センチメントの反転がなければ、アジアが株式市場を再び主導するきっかけを見つけるのは難しい」と分析した。

  中国本土のCSI300指数は先週末時点で2月に付けた13年ぶりの高値から13%余り下落。中国の流動性引き締めの可能性やバリュエーションを巡る不安が背景にある。

  JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マルチアセット・ストラテジスト、パトリック・ショウィッツ氏は、アジアの成長回復はおおむね織り込み済みだと指摘。「中国株に対する見方がそれほど強気でなくなった」ことを主な理由に挙げ、新興アジア株の投資判断を「オーバーウエート」から「中立」に引き下げた。

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