(ブルームバーグ):

25日に投開票された衆参両院の3選挙はいずれも野党側が勝利した。自民党は世論調査で接戦が伝えられていた参院広島選挙区再選挙でも敗れ、新型コロナウイルス感染拡大で苦しむ菅義偉首相にとって打撃となりそうだ。

  菅首相は26日、「国民の皆さんの審判を謙虚に受け止め、さらに分析した上で正すべき点はしっかり正していきたい」と記者団に語った。衆院解散時期に与える影響については、コロナ対策が最優先との考えに変わりはないと述べるにとどめた。

  政権発足後初の国政選挙。衆院の任期満了まで半年を切る中で、解散・総選挙の前哨戦と位置付けられていた。

  立憲民主党の福山哲郎幹事長は、今回の選挙結果は「政治転換を開始する第一歩となった」との談話を発表した。

  SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは26日付のリポートで、結果にサプライズはないものの、与党内では「早期の解散・総選挙を回避し、選挙に向けて体制の立て直しを図ろうとする機運」が高まるとの見方を示した。

  野党側は衆院選に向けた弾みとしたいが、昨年合流し衆参150人超の野党第1党となった立憲民主党の政党支持率は低迷したままだ。NHKの4月の世論調査では、自民の37.4%に対し、立憲は6.3%だった。

  広島は、2019年の参院選を巡る買収事件で有罪が確定した河井案里前参院議員の当選無効に伴う選挙で、自民は新人を擁立。県連会長の岸田文雄前政調会長が前面に立ち選挙戦を展開したが及ばなかった。次期総裁選出馬に意欲を見せる岸田氏にとって、地元で自民が維持してきた議席を失うことは党内での求心力低下につながる。

  参院長野選挙区と自民が候補者擁立を見送った衆院北海道2区の補選でも立憲が勝利した。

(菅首相の発言などを追加しました)

©2021 Bloomberg L.P.