(ブルームバーグ): 日本電産は22日、今期(2022年3月期)の連結営業利益が前期比13%増の1800億円となる見通しだと発表した。家電、IT向けの需要拡大や車載事業の強化により18年3月期(1676億円)以来の過去最高益を目指す。ブルームバーグが集計したアナリストの予想平均1986億円は下回る。

  同時に関潤社長が創業者の永守重信会長に代わり最高経営責任者(CEO)を兼務する内定人事も発表した。6月の定時株主総会後の取締役会で決議する。市場変化を先取りし、経営の意思決定のスピードを速める。関氏は日産自動車の副最高執行責任者を務め20年1月に日電産に入社、同年6月に社長に就任した。

  永守氏は会見で関氏について、経営手法も自分と似ており「即断即決、トップダウン能力、人格どれをとっても後継者にふさわしい」と評価。「自信を持って関潤にCEOを渡す」と述べた。

  発表によると、前期(21年3月期)の営業利益は前の期に比べ47%増の1600億円だった。家電、IT、ゲーム機などの需要拡大に加え、徹底した原価改善や固定費の適正化も奏功した。

  関氏は経営について「決まった路線は私が全部やる」とし、「流動的に動かないといけない部分」は永守氏と共に取り組む考えを表明。30年度に売上高で10兆円を目指す長期方針については、今期業績を確実にし、来期2兆円を実現し「ビジョン2020」を完了させた後、7月か8月に「ビジョン2025」として新たな道筋を示すとした。

  環境規制の強化を背景に自動車の電動化が加速する中、日電産は車載事業を成長の柱と位置づける。中国に加え、欧州でも電気自動車(EV)用駆動モーターシステムの生産を拡大する計画で、セルビアに工場を新設することも決めた。30年には世界シェア40−45%程度を目指す。

  関氏は、EV駆動用モーターの引き合いについて、現在65件あり、全て受けられないほど需要が強いと述べた。中心は中国や欧州勢だという。

  永守氏は、半導体不足などによる自動車の減産が同社の車載モーター関連事業に影響しているとの認識を示した。「われわれのモーターは納入できても相手が納入できないから少し待ってくれという話もある」という。

  21年1−3月期の営業利益は前年同期比2.9倍の445億円に拡大。部門別では精密小型モーターが同3.4倍の157億円、家電・商業・産業用が同2.5倍の168億円車載が同2.3倍の75億円と好調だった。

(会見の内容を追加して更新します)

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