(ブルームバーグ): 動画配信サービスの米ネットフリックスが20日発表した1−3月(第1四半期)の新規有料会員数は398万人と、市場予想と自社見通しをともに大きく下回った。新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要を受けた急成長が突然止まった格好だ。株価は時間外取引で一時13%安と急落した。

  市場予想と自社見通しはそれぞれ629万人、600万人だった。4−6月(第2四半期)の見通しも厳しい。同社が見込む新規有料会員数は100万人と、市場予想(444万人)を大幅に下回っている。

  ネットフリックスは新型コロナの収束に伴い会員数の伸びが鈍化すると数カ月前から警告してきたが、ここまでの急失速はほとんど予想されていなかった。昨年1ー3月期には新規有料会員数が過去最高の1580万人となり、10ー12月(第4四半期)も予想より堅調だった。一方、今年1ー3月は、約300万人だった2013年以来の低水準となった。

需要先食いと番組不足

  ネットフリックスは新型コロナ禍を背景にした昨年の「需要先食い」の影響に言及。また、同社によると新番組の少なさも会員数の伸び鈍化の一因になった。10ー12月と異なり、1−3月は「ブリジャートン家」や「クイーンズ・ギャンビット」のようなヒット作があまりなかった。

  新型コロナの影響で番組制作が遅れ、1ー3月の配信は鈍化。外出制限措置が取られた最初の数カ月は、既に多くの番組が完成していたため配信予定を維持できた。しかし、昨年3、4、5月に予定されていた制作が中断を余儀なくされ、現在の番組不足につながった。

  ネットフリックスは会員数の伸びは、同業者が多い米国だけでなく世界的に鈍化したとして、競争が業績に影響したとの見方を否定した。ただ一部の動画配信サービスは、10月に米国で値上げしたネットフリックスに比べて料金が割安だ。

  一方、欧州は引き続きネットフリックスにとって希望の持てる地域となっている。欧州・中東・アフリカの新規会員数は181万人と地域別で最も多かった。フランスのドラマ「Lupin/ルパン」が1−3月に最も視聴された新番組シリーズとなった。

  会員数の伸びは鈍化しているものの、同社は財務面ではこれまでで最も力強い状態にある。1−3月の純利益は17億1000万ドル(約1850億円)と、前年同期の2倍余りに増え、フリーキャッシュフローは6億9200万ドルに達した。1株利益は3.75ドルと、市場予想の2.98ドルを上回った。

  同社幹部は決算発表後の投資家とのウェブキャストで、新たな分野に進出すべきタイミングかどうかとの質問に対し、成長源のかなりの部分はなおエンターテインメントにあると説明。ただ今後数年間について事業拡大の可能性がある分野として、消費者向け商品とビデオゲームに言及した。

(6段落目以降に決算内容などを追加して更新します)

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