(ブルームバーグ):

日本銀行が26、27日に開く金融政策決定会合では、新型コロナウイルス感染症の再拡大を受けて東京都などに緊急事態宣言が再発令された中で、今後の経済・物価見通しと金融政策運営に関する議論が注目される。

  ブルームバーグがエコノミスト42人を対象に15−20日に実施した調査では、全員が金融政策の現状維持を予想している。次の政策変更は追加緩和との回答は14%と3月会合前の26%から減少した。会合後には声明文と新たな「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」が公表され、黒田東彦総裁が午後3時半から記者会見する。

  日銀は3月会合で、より効果的で持続的な金融緩和を行うための点検を踏まえて政策修正を決定した。上場投資信託(ETF)買い入れのさらなる柔軟化や、長短金利操作で誘導対象となる長期金利(10年物国債金利)の許容変動幅の明確化などが主な内容となっている。

  ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは今後の政策展開について「政策修正を行ったばかりであり、その効果や影響を注視しつつ、しばらく様子見姿勢に徹すると見込まれる」とみている。

展望リポート

  新たな展望リポートでは、長引くコロナ禍の先行きを政策委員がどう描くかが焦点となる。日本では東京や大阪など4都府県に25日から5月11日まで緊急事態宣言が再発令された一方で、海外経済はワクチン接種が進む米国を中心に日銀の想定よりも強めで推移している。

  関係者によると、2021年度は実質経済成長率見通しの小幅の上方修正が議論になる可能性がある一方、物価は携帯電話通信料の値下げを反映して下方修正される見通しだ。新たに加わる23年度見通しは黒田総裁の4月の任期後となるが、物価は目標の2%には遠い姿が示される可能性が高いという。

  緊急事態宣言の影響で4−6月期の実質国内総生産(GDP)は2期連続のマイナス成長となり、事実上の景気後退(テクニカル・リセッション)となる可能性を指摘する声も出ている。複数のエコノミストが同期の名目GDPを0.1%程度押し下げるとみている。

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