(ブルームバーグ): Zホールディングスの株価がおよそ9カ月ぶりの安値を付けた。同社は28日、今期(2022年3月期)の調整後EBITDA(償却前営業利益)は3030億円から3130億円を見込むと発表した。前期実績との比較では最大6.2%増となるが、アナリストの間では物足りないとの声が上がっている。

  30日の日本株市場でZHD株は一時、前営業日比7.3%安の504.1円と3営業日ぶりに反落し、昨年7月20日以来の安値。日中下落率は同11月10日(8.7%)以来、5カ月半ぶりの大きさとなった。

  SMBC日興証券の前田栄二シニアアナリストはリポートで、会社側の今期利益計画について「LINEとのシナジー効果は時間を要するため、水準は物足りない」と指摘した。

  3月にLINEと経営統合した同社は、今期から会計影響を排除した評価へ移行するため、経営指標をこれまでの営業利益から調整後EBITDAに変更した。事業別の今期成長率見通しは、主力のショッピング事業の取扱高で前期比12%−25%増を計画。広告売上収益は旧ZHDベースで6%−10%増、LINEベースで10%−13%増を見込む。

1−3月期EBITDAは減益

  前期(21年3月期)の売上収益は前の期に比べ15%増の1兆2058億円、調整後EBITDAは同19%増の2948億円だった。ショッピング事業の成長がけん引し、eコマース(電子商取引)取扱高は3兆2200億円と前年比で24%伸びた。ただし、1−3月期(第4四半期)の調整後EBITDAは前年同期比2.5%減の637億円と減益。超ペイペイ祭など大規模なプロモーション費用が響いた。

  一方、LINEを巡ってはアプリの個人情報がユーザーに十分な説明がないまま、中国関連企業からアクセスできる状態にあったことが3月に発覚。既に中国からのアクセスは遮断し、不正利用や情報漏えいはなかったが、今月26日に総務省から社内システムの安全管理措置や利用者への適切な説明に関し、行政指導を受けた。

  出沢剛共同最高経営責任者(CO−CEO)は会見で、一連の情報管理問題を陳謝した上で、「個人情報保護委員会、総務省からの指導を重く受け止めている」と述べた。また、現時点でLINEの使用を取りやめている自治体がある点を認めた上で、「売上収益に対する大きな影響はない」との認識を示した。

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