(ブルームバーグ): 中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)は「TikTok(ティックトック)」など大ヒットアプリを連発し、世界で最も評価額の大きい未公開企業となった。米フェイスブックなどに挑んできた共同創業者の張一鳴氏が次に狙いを定めたのはアリババグループだ。  

  人工知能(AI)コーディングの天才、張氏(38)は1兆7000億ドル(約185兆円)規模の中国電子商取引に着目。スタッフ数千人を採用し、小米の雷軍最高経営責任者(CEO)ら著名実業家からの支援を取り付け、張氏が次の「重要な突破」と呼ぶグローバル事業の展開を図る。試されるのは、張氏のアプリ開発力とバイトダンスのAI技術だけではない。同社の新規株式公開(IPO)が待ち望まれる中で、投資家がこうした戦略をどう受け取るのかということにも注目が集まる。

  バイトダンスはすでに馬雲(ジャック・マー)氏のアリババやJDドットコム(京東)が長く牛耳ってきた電子商取引に波風を立てつつある。2020年には化粧品や衣料品などの商品約260億ドル相当を販売。アリババの「淘宝」が6年かけて到達した販売額を1年目で達成した。22年までには1850億ドルを突破する勢いだ。

  ティックトック中国版の「抖音(ドウイン)」はバイトダンスが今年得る国内広告収入400億ドルの半分余りに貢献する見通し。藍蓮花資本の楊子瀟・研究部副主管は「短い動画向けのプラットフォームはトラフィックが非常に多く、基本的にあらゆるビジネスが可能だ」指摘。「抖音は広告だけでなく、ライブストリーミングや電子商取引、地元に密着したサービス、検索にも関与する。想像力を働かせることのできる大きな余地がある」と述べている。

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