(ブルームバーグ): 米国の投資適格級社債の米国債に対する上乗せ利回り(スプレッド)がインターネット株バブル期直前に見られた水準に近づく中、 高格付け社債は値下がりするしかないとの警戒感がアナリストの間で強まっている。

  モルガン・スタンレーのストラテジスト、スリカンス・サンカラン氏は5月16日の年央見通しで、社債の「最良の時期は過ぎた」と指摘。「バリュエーションの高まりや、あまり好ましくないテクニカル指標、バランスシートの回復ペースの遅さが重なる状況は、クレジット市場が中間サイクルの環境に進んだことを示唆している」と分析した。

  高格付け債の半分以上を占めるBBB格付け債のスプレッドは17日、米国債に対するスプレッドが平均で106ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に縮小した。投資適格級で最低の格付けだが利回りが最も高いBBB格付け債に投資需要が高まっていることが背景にある。スプレッドが100bpを割り込めば、1990年代終盤のインターネット株バブル期以来となる。

  モルガン・スタンレーは米投資適格級債券のスプレッドが2022年前半まで17bp拡大すると予想し、そのクレジット見通しを「中立」に下方修正した。

  一方、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のハンス・ミケルセン氏らストラテジストは17日に配布したリポートで、米国債利回りが一段と上昇すれば「はるかに急速な利上げサイクルを市場は織り込むことになる」と予想。そうなれば投資家は売却ないし様子見を迫られ、今後数カ月にスプレッド拡大を招くと指摘した。

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