(ブルームバーグ): 米銀JPモルガン・チェースは、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの石油パイプライン網権益売却に関連する最近の取引で1億ドル(約110億円)余りを確保する方向だ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。広大な金利スワップ市場においても際立つ額の利益だ。

  関係者によれば、JPモルガンは、パイプライン網への124億ドル投資で先月合意したグループを率いる米投資会社EIGグローバル・エナジー・パートナーズとのヘッジ取引でこうした利益を計上する見通しだ。同行はアラムコ側の助言役を務め、複数の権益買い手側向けに別の1行とともに100億ドル余りの融資の取りまとめを支援したという。

  資金調達規模の大きさを考慮したEIGは金利変動をヘッジするため、融資とは別にJPモルガンとスワップ契約を結んだ。金利がJPモルガンに有利な方向に動いたため、同行は数億ドルを手にする方向だ。関係者が情報の部外秘を理由に匿名で語った。

  関係者の話では、この規模の売却案件では、買い手側は資金調達リスクへの対応で複数の金融機関を利用することが多いが、今回のヘッジ取引に関わったのはJPモルガンだけだった。リターンの規模は今回のスワップ取引の相手方として同行が取ったリスクに見合うものだったと、関係者の1人は語っている。

  関係者によると、アラムコはスワップ取引の相手方ではない。JPモルガンはヘッジ取引の利益をまだ計上しておらず、リターンの規模は今後変わる可能性もあるという。

  アラムコとJPモルガンの担当者はコメントを控えた。EIGの広報担当者からは現時点でコメントを得られていない。

  4月の発表資料によると、EIGはアラムコの石油パイプライン網権益を49%取得することで合意したコーソシアムを率いている。

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