(ブルームバーグ): 台湾が新型コロナウイルス感染急拡大や渇水による電力不足の脅威に見舞われている。1−3月(第1四半期)に高い成長率を記録した台湾経済の腰折れにつながる可能性がある。

  台湾では今月初めゼロだったコロナの域内新規感染者がここ5日間だけで計1226人に急増。一部に講じていた制限措置が19日には全土に拡大された。学校は既に休校しているが、新たな規制では屋外でのマスク着用が義務付けられる。人が集まる際にも人数制限が設けられ、多くの公共施設も閉鎖される。

  感染者が高止まりした場合、台湾は全面的なロックダウンを余儀なくされる恐れがあり、その影響は小売業から台湾経済の柱である輸出にまで及ぶ可能性がある。さらに、渇水で水力発電所の稼働率は低迷しており、世界最大級の半導体メーカーの拠点も含めて域内主要都市では停電も起きている。

  ING銀行の大中華圏担当チーフエコノミスト、アイリス・パン氏は台湾経済が短期的に打撃を受け、コロナによる経済成長への影響が見られるだろうと指摘。電力不足については、「短期間の停電にとどまったとしても生産ラインは鈍るため、半導体不足の圧力はここからさらに強まることになる」と話す。

  製造業生産と輸出急増が寄与し、台湾の1−3月の域内総生産(GDP)は前年同期比8.16%増と高い伸びを示した。政府は通年の成長率を4.64%と見込んでいる。

台湾、半導体生産続け供給維持目指す−域内で新型コロナ感染が急増

  コロナ感染急拡大に見舞われる台湾に追い打ちを掛けるのが電力不足だ。今月13日には石炭・ガス火力発電所が技術的な誤りで稼働を停止したことを受けて停電が発生。17日にも輪番停電を前に携帯電話を通じて全土の消費者が警報を受け取った。

  台湾経済部の王美花部長(経産相)は18日、今年の梅雨は降水量がここ数年に比べて少なくなるとみられ、水不足が和らぐ公算は小さいと警鐘を鳴らして市民に節電・節水を呼び掛けた。

  この1週間で相次いだ停電の主な原因は、旺盛な外需への対応に努める工場が昼夜を問わず稼働する中で、電力消費が急増しているためだと王部長は説明した。

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