(ブルームバーグ): 米アーク・インベストメント・マネジメントを率いるキャシー・ウッド氏は運用資産減少時に流動性の高い大型の保有株を売却し、あまり取引されていない銘柄を購入する投資戦略を取る。こうした手法は同社を最も投機的な賭けに過度にさらすとの懸念をあおったが、これまでのところは、その逆のことが起きている。

  アークが10%を超える株式を保有する企業の数は3カ月前と同じだが、投資の集中は後退していることが他の尺度で示されている。

  同社が20%超保有する企業は2月時点では3社だったが、現在はゼロとなっている。保有比率最大は引き続きコンピュジェンだが、前年同期の21.3%から17.2%に低下した。

  アークの少数株主で、複数のファンドの助言でパートナーシップを結ぶ日興アセットマネジメントの保有分も合わせた場合、両社で25%を超える株式を持つ銘柄はコンピュジェンのみ。両社で20%超保有する企業は8社と、以前の10社から減少した。

日興アセットも助言得るウッド氏のアーク、一部銘柄に大きな影響力

  元メリルリンチのトレーダーで、ニュースレター「ザ・セブンズ・リポート」を創業したトム・エッセイ氏は「アークが大ファンド群である事実を受け入れているという意味で少し進化した」と指摘。「特に幾つかの中小型の銘柄では投資の集中度合いを低めることは理にかなう。中小型株にどの程度の資金を投じるかでリスクとリターンの計算が変わり得る」と指摘した。

  アークの上場投資信託(ETF)はここ数週間厳しい局面を迎えており、旗艦ファンドは2月12日のピークから32%余り下落したものの、資金流出は引き続き控えめだ。これはアークにはポジションを秩序だって調整する時間があり、慌ててポジションの現金化を迫られてはいないことを意味する。アークに取材を試みたが返答はなかった。

キャシー・ウッド氏の信奉者は離れず−ETF資産4兆円強に減少でも

  同社のETFの総資産は現在410億ドル(約4兆4700億円)と、ピーク時の600億ドルから減少しているが、インフレ高進懸念や景気回復で恩恵を受けるバリュー株へのローテーションを背景とした保有株の値下がりが主因だ。

  実際、アクティブ運用6本とインデックス型運用2本から成る同社ファンド群からの2月末以降の資金流出は約12億ドルにすぎず、年初来では依然151億ドルの純流入。助言会社ETFストアのネイト・ジェラチ氏は「これはアークの投資家の信念を物語っている」と指摘した。

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