(ブルームバーグ): 中国本土や香港企業による米国での新規株式公開(IPO)が年初来で記録的な規模に上る中で、少なくとも3社の中国企業が米上場計画を棚上げした。中国勢の米IPOは減速を余儀なくされそうだ。

  最近の相場下落や高成長企業に対する投資家心理の悪化、保険テクノロジー企業ウオータードロップ(水滴)などIPO後の株価軟調を受けて、米上場計画を保留した中国企業にはバイクシェアリングプラットフォーム運営企業の哈囉出行(ハロー)や、ポッドキャスト番組を配信する喜馬拉雅、クラウドサービスの七牛雲が含まれる。

  哈囉と喜馬拉雅、七牛雲の3社は2週間余り前に米証券取引委員会(SEC)にIPO申請書類を提出済みだが、投資家からの応募を受け付ける計画を先送りしている。米国では公に申請してから2週間後にロードショー(機関投資家向け説明会)を始めることが可能で、ほとんどの場合はこうしたスケジュールで進む。

  法律事務所ホーガン・ロヴェルズの大中華圏担当プライベートエクイティー責任者、ステファニー・タン氏は「最近の幅広い相場下落に加え、新規上場銘柄の一部が大きく値を下げた先月初め以降のIPO市場の調整もあり、IPOに向けた規制面のハードルを全て乗り越えて『物理的に』準備できている企業にとって市場環境が予測しにくくなる可能性がある」と指摘する。

  「一部の参加者はより安定した状況を期待して市場の動向を見極めることを選択するかもしれない」と同氏は述べた。

  今年も中国本土・香港企業による米上場が続き、IPO規模は年初来で計71億ドル(約7720億円)と過去最速ペースに達していた。米中対立や米証券取引所から本土企業が締め出されるリスクが残るにもかかわらず、世界的な緩和マネーや超低金利、株高が投資家を引き付け、IPOを大きく後押ししている。

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