(ブルームバーグ): ソニ―グループは26日、長期的な成長を目指し、2024年3月期までの3年間で2兆円の戦略投資枠を設定すると発表した。知的財産(IP)、技術開発、自社株買いの優先順位で投資する方針だ。

  吉田憲一郎社長は「クリエイティビティ」、「テクノロジー」、「世界(コミュニティー)」の3点をキーワードに価値を創造していく考えを示した。戦略投資枠はこの実現のために使うとしている。

  コミュニティーではアニメ、ゲームなどエンターテインメント分野を中心にソニーGと直接つながる人を現在の約1億6000万人から10億人に拡大する方針を表明。クリエイターとユーザーとのつながりを強めるほか、映画・音楽など関連事業との連携により実現を目指す。達成時期は明言しなかった。

  吉田社長は、映画で人気化した「鬼滅の刃」などをIPとして活用し直接、消費者と結び付くゲームの開発などを進める方針を明らかにした。家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)」版やモバイル版の開発に着手しているという。これら分野では外部パートナーとの協業を引き続き重視する。

  このほか、強みを持つCMOS画像センサーなどを使い、自動運転をはじめ社会の安全性や、生産性の向上につながるIoT技術の開発などを推進するとしている。  

  吉田氏はセグメントごとではなく、ソニーGの存在意義を軸に経営方針を示したことについて「チャレンジでもあった」と説明。企業文化が社員の実行力を担保し、「場合によっては戦略より重要かもしれないと」と述べた。

  ソニーGは4月1日付でソニーから社名を変更。ゲームや音楽、映画のエンターテインメントから家電、半導体、金融まで多様な事業をグループ横断的に管理し、各事業間の相乗効果を追求しながら長期的に企業価値を高めていく方針だ。

  4月下旬に公表した今期(22年3月期)の連結営業利益予想(国際財務報告基準)は、前期比4.3%減の9300億円。発行済み株式の2.02%に相当する2500万株、2000億円を上限とした自社株取得枠も設けた。

  24年3月期までの中期経営計画では調整後EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)の累計目標額を4兆3000億円に設定している。

ソニーG、今期営業益4.3%減の9300億円−ゲームや音楽など減益

  吉田氏が社長に就任した18年4月時点で5000円台だったソニーGの株価は、現在1万円を超える水準で推移している。

(経営方針の詳細や背景を追加して更新します)

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