(ブルームバーグ): 債券利回りのボラティリティーが低下している。米連邦準備制度と欧州中央銀行(ECB)の当局者らが、インフレが債券購入プログラムの減速につながるとの観測の打ち消しに努めた結果かもしれない。

  米10年物金利スワップの3カ月物オプション(3m10yスワップション)が示すインプライドボラティリティーは、当局者らがインフレは一時的との発言を繰り返すのに伴い一貫して低下し、3月前半以来の低水準に達した。

  アバディーン・アセット・マネジメントの投資ディレクター、ジェームズ・エイシー氏は、米国では「金融当局がボラティリティーを抑え込んだ」と述べた。

  米国の3m10yスワップションは変動幅が約30ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の場合に収支とんとんとなる水準。10年物利回りが現在の約1.56%に対して、1.25%から1.85%の間で推移する可能性を示唆している。欧州の同様の指標は10年物スワップレートが現在の0.14%の上下17bpの範囲で動くことを示唆する。

  3カ月という期間には8月最後の週末前後に行われるジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)が含まれる。この会合は過去に中央銀行が政策変更を示唆するのによく活用された場だが、予想変動率は縮小している。

  今月前半のオプション市場では連邦準備制度とECB両方について、ジャクソンホールでのタカ派発言を警戒する大口のポジションが積み上がった。

  市場に再びボラティリティーをもたらし得る要素はある。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨は、多くの参加者が今後数回の会合で債券購入縮小(テーパリング)を話すのに前向きな姿勢を示唆した。

  一方、ECBは、ラガルド総裁らが6月会合での政策調整の観測を抑えるような発言を繰り返している。

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