(ブルームバーグ): 東京都が自治体として初めてソーシャルボンド(社会貢献債)を発行する。新型コロナウイルス感染が収束した後も影響を受けるとみられる都民や事業者を支えるため、新たな資金調達に動く。

  都は2021年度に発行する市場公募債8500億円程度のうち600億円程度を社会貢献債とする計画で、まず300億円を最速で6月下旬に起債する。4日に発表した。300億円は自治体が一度に起債するESG(環境、社会、企業統治)債として最大となる。年限は5年。

  調達資金は特別支援学校などの整備といった教育事業や就業相談の施設整備、中⼩企業への制度融資である「新型コロナウイルス感染症対応融資」の預託⾦に活用する意向だ。

  東京都財務局主計部の吉浦宏美・公債課長は、コロナで人々の「生活に大きな影響が及んでいる」とし、都が掲げる「サステナブル・リカバリー」の取り組みに沿って「支援が必要な都民、事業者をしっかり支援していくため」に社会貢献債の発行を決めたと説明した。市場動向や事業の進捗(しんちょく)を見極めながら「来年度以降も継続的な発行を視野に入れていきたい」と述べた。

  社会貢献債の発行に当たり、国際資本市場協会(ICMA)の原則に準拠した資金調達であるとの認証を格付投資情報センター(R&I)から取得。吉浦氏は、第三者の認証を付けることは「金融分野からのSDGs(持続可能な開発目標)の実現、投資家の理解の拡大、ESG投資の普及促進」に役立つとの認識を示した。

  ブルームバーグのデータによると、世界で見てもソーシャルボンドの発行は国際機関や日本の財投機関といった政府系機関が多く、地方自治体はカナダのトロント市など少数。ことしは4日時点で全世界で約1280億ドル(約14兆1000億円)が発行され、新型コロナ拡大を受けて急増した20年通年(約1500億ドル)に早くも迫っている。

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