(ブルームバーグ): 映画館チェーンのAMCエンターテインメント・ホールディングスなど一握りの銘柄の急伸が、ポートフォリオをゆがめリスク特性を変化させる形で上場投資信託(ETF)に影響を及ぼしている。11兆ドル(約1200兆円)規模のインデックスファンド業界が、いわゆる「ミーム銘柄」のフィーバーと無縁ではないことを示している。

「カルト銘柄」投資家よりカルト集団に近いか、AMC株に群がる人々

  680億ドル規模の「iシェアーズ・ラッセル2000ETF(IWM)」の3日までの1週間の上げは、70%がAMC上昇によるものだった。その前の1週間ではAMCが同ETFのリターンに占めた割合は10分の1未満だった。

  元メリルリンチのトレーダーで、ニュースレター「ザ・セブンズ・リポート」を創業したトム・エッセイ氏は「インデックス投資の魅力は人間の決定や感情が排除される」ことだったと指摘。「ファンドの0.5%にすぎなかった銘柄が6%を占めるようになるまでは、全てうまく機能していた」と述べた。

  IWM以外では、175億ドル規模の「iシェアーズ・ラッセル2000バリューETF(IWN)」や720億ドル規模の「iシェアーズ・コアS&P小型株ETF(IJR)」などもAMCの影響度が膨らんでいる。

  ビデオゲーム販売の米ゲームストップの株価が一時1600%余り急騰した1月にも同様の現象が見られた。

  モーニングスターのETF調査グローバルディレクター、ベン・ジョンソン氏は、インデックスファンドの世界ではいったんルールが定まった後は裁量の余地がなくなると説明。市場の動きに従って取引を執行するだけになると指摘した。

  6カ月前と現在の違いは、新型コロナウイルス禍からの景気回復で恩恵を受けそうな銘柄に乗り換える動きの一環として、投資家が小型の割安株に連動する商品に多額の資金をつぎ込んでいることだ。

  ミーム銘柄に対する熱狂はかつてないほど強まっている。AMCとゲームストップ以外ではブラックベリーやコス、ベッド・バス・アンド・ビヨンドなどが過去1週間で大きく動いた。

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