(ブルームバーグ): 米連邦公開市場委員会(FOMC)のタカ派傾斜を受けゴールドマン・サックス・グループとドイツ銀行はユーロの対ドル上昇予想を取り下げた。

  FOMCの金利予測分布図で、市場の予想に反し2023年末までの2回の利上げが示唆されたのを受け、ユーロは16日、対ドルで一時1.1%下落し1ユーロ=1.1994ドルを付け、20年4月以来の大幅安を演じた。一部の当局者は来年の利上げを予想した。ユーロは1.20ドルを割り込み、一部トレーダーの先安観を示唆している。

  多くのドル弱気派は今週、当局が予想外にタカ派姿勢を示す可能性を警戒しショートポジションを縮小したものの、インフレは一時的との従来の見方からハト派姿勢を維持するとの見る向きもいた。FOMCの四半期経済予測ではインフレ見通しが上方修正され、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が債券購入の縮小について当局者が議論を開始すると述べたことから、米国債利回りはドルと共に急上昇し、トレーダーはショートカバーを余儀なくされた。

  ゴールドマンのグローバル外国為替・新興市場戦略共同責任者ザック・パンドル氏はリポートで「ドルの高いバリュエーションや世界的な景気回復の広がりを受けて、ドルが幅広く軟調になるとわれわれは引き続き予想する」ものの、「米金融当局が一段とタカ派に傾斜するとの見通しや進行中のテーパリング議論が短期的にドルショートに逆風になる可能性が高い」と論じた。

  ドイツ銀行のジョージ・サラベロス氏は、「米国のイールドカーブにおけるフロントエンドの実質金利のリプライシング余地が広がり、ボラティリティーが高くなる余地もある」と述べ、両方の要因がドルに強材料だとして、ユーロ・ドルのロング取引の推奨を終了した。

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