(ブルームバーグ): 米長期債利回りは低下し、5年物と30年物米国債の利回り格差は2営業日で2020年3月以来の大幅縮小となった。

  16日まで2日間開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で引き締め方向の動きが始まり得ることが示唆され、インフレが拡大するリスクが抑えられたことを受けた動きだ。

  30年物債利回りは17日、一時16ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し2.05%と2月以来の低水準となった。米金融当局が16日、2023年末までに2回の利上げを見込んでいることを示唆したことを受け、期間が短めの債券利回りが上昇し、長期的なインフレ観測は後退。5年物と30年物債の利回り格差は一時117bpと、昨年11月以来の低水準を付けた。

  MUFGセキュリティーズアメリカスの米マクロストラテジー責任者、ジョージ・ゴンキャルベス氏は、「インフレファイターとしての米金融当局への信頼性は、ポートフォリオの中のリスクが高めのポジションに対する相殺効果との期待でデュレーション(平均回収期間)が長めの投資を行うことに不安を抱いていた人たちにゴーサインを与えたように映る」と語った。

  シーポート・グローバル・ホールディングスの国債トレーディング・戦略担当マネジングディレクターのトム・ディガロマ氏は、イールドカーブの突然のフラット化は、これまでスティープ化を見込んだポジションを取っていた一部トレーダーが意表を突かれたことも原因のようだと語った。

  スティープ化に賭ける投資の推奨を取り下げたウォール街のストラテジストもいる。6月FOMC会合での当局のタカ派的メッセージを受け、リフレ取引は「大きな後退」に見舞われたと、TDセキュリティーズのプリヤ・ミスラ氏は同僚と共に作成したリポートで指摘。5年物と30年物債の利回り格差拡大に賭ける取引からの撤退を勧めている。

  短期金融市場ではトレーダーたちが最初の0.25ポイントの利上げ実施時期見通しを来年10−12月に前倒ししてきている。

  16日のタカ派サプライズでバークレイズのエコノミストたちは、米金融当局は9月のFOMC会合で債券購入のテーパリング(段階的縮小)を正式に発表し、実際の買い入れペース減速を11月に開始する軌道にあるとの見方を示した。

米金融当局は9月にテーパリング発表、11月に開始へ−バークレイズ

  ゴールドマン・サックス・グループの米金利戦略責任者、プラビーン・コラパティ氏は同僚と共に作成したリポートで、今週のFOMCの動きは、差し引きの結果、「予想を上回る好調な経済指標を材料に中・長期債利回りをフラット化に向かわせるのに十分だろう」と語った。

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