(ブルームバーグ): ヘッジファンドや資産運用会社は、長い間見過ごされてきた日本のスタートアップ企業に目を向けている。この分野で見られた驚きのリターンに引き付けられた。

  プレイアド・インベストメント・アドバイザーズを含むアジアのヘッジファンド運営会社や、ティー・ロウ・プライス・グループやベイリー・ギフォードなどグローバルな投資会社は、将来性が高い日本のベンチャーにレイトステージの成長資金を投じている。これらの会社の運用者らが明らかにした。レイトステージとはベンチャー企業投資における成長ステージの最終段階。

  追い風となっているのが、ここ数年に上場したスタートアップ企業の株価の大きな上昇や、デジタル化や起業を促進する日本政府の取り組みだ。日本は今、ユニコーン(企業価値10億ドル以上の未公開企業)が6社にすぎず、中国のアリババグループや米テスラのような世界的な野心を持った新興企業の輩出で後れを取っている。

  ソロス・ファンド・マネジメントやTPGキャピタルの出身で、現在はプレイアドの共同最高財務責任者(CFO)を務めるマイケル・吉野氏は、「レイトステージで新規株式公開(IPO)前の企業を焦点とする機関投資家が本当に不足している」と指摘。「日本を調査し、この分野に注目する外国人投資家が増えている。競争が比較的激しくないため、バリュエーションもより魅力的だからだ」と語った。

  香港を拠点とするプレイアドは昨年、ウォール街企業の元バンカー2人が率いるプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資部門ミネルバ・グロース・パートナーズを開始。ミネルバの目標は、日本のスタートアップがグローバルな機関投資家から資金を引き寄せられる規模に到達するのを支援することだ。

  ミネルバは第1号ファンドのためにこれまで150億円集めており、2年間で少なくとも8社を支援する計画だと吉野氏は述べた。

  ティー・ロウ・プライス・グループは、クラウド会計・人事ソフトウエアを手掛けるフリーの2018年の資金調達ラウンドを皮切りに、こうした投資を3件余り行っていると、同社の日本株戦略ファンドを運用するアーチボルド・シガナー氏が述べた。同社は日本で毎年1、2件の未公開企業投資を行う方針だ。

  ベイリー・ギフォードで小型日本株の投資を統括するプラビーン・クマール氏は、日本で2件の投資を行ったほか、最近ではこうした機会に関心がある米国の同業者と電話会議を行った。

  投資家は過去の成功に引き付けられている。フィデリティーなどから資金を調達したラクスルの株価は18年5月の上場以来、3倍になっている。メルカリは19年末から2倍余り、フリーは19年12月のIPO以来5倍に上昇している。

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