(ブルームバーグ): 2013年に米金融当局が金融緩和縮小の可能性を示唆し、世界の市場をショックに陥れた「テーパータントラム」が再来するとの懸念が新興市場に高まっているが、アジアの政策当局者は当時よりかなり落ち着いていられるはずだ。

  当時と異なり、アジアの新興国・地域経済はより強力な状態におおむねあるほか、米金融当局もいかなる変更に関して、より長めに準備期間を設ける可能性を示唆しているためだ。

  米金融当局が利上げすれば、投資資金が新興市場国・地域から流出してインフレを加速させる通貨の売りが発生、借り入れコストが急上昇するか地域経済に健全とみられる以上のペースで政策引き締めを余儀なくされると懸念されてきた。

  しかし、13年の状況や世界各地の新興市場の現状と比較すると、アジアでは外貨準備がより潤沢であるほか、インフレは比較的穏やか、貿易も好調、現地通貨建て債券市場の厚みは増し、中央銀行はこれらを頼りにできる。

  トロント・ドミニオン銀行のアジア・欧州担当チーフストラテジスト、ミタル・コテチャ氏(シンガポール在勤)は「ファンダメンタルズが改善したため、アジア新興国・地域の中央銀行は比較的緩和的な姿勢でいられる」と指摘。 「一部の例外はあるものの、地域全体でインフレは引き続き比較的抑制されているほか、対外収支も強化されている」と述べた。アジアは引き続き、魅力的な投資先だとしている。

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