(ブルームバーグ): 米国での新規株式公開(IPO)を目指す中国企業にとって、投資家への売り込みは難しくなりそうだ。

  ビッグデータを管理する取り組みを強化している中国当局は、配車アプリの滴滴グローバルに対する調査に着手。中国版ウーバーとも呼ばれ、米上場を果たしたばかりの滴滴に加え、米国で最近IPOをそれぞれ実施したトラック配車の満幇集団と人材採用の看准が手掛けるオンラインプラットフォームにも調査対象を広げた。

中国、滴滴に続きネット規制当局の調査拡大−さらに米上場2社

   こうした状況を目の当たりにした世界の株式運用担当者は、中国のビッグデータ規制は投資に際し取るべきリスクなのかと自問し始めている。  

  ホライゾンズ・ETFs・マネジメント・カナダのポートフォリオマネジャー、ハンス・アルブレヒト氏は「中国が自国のテクノロジー企業による米IPOの洪水に悩まされ、欧米でIPOが受け入れられるのを鈍らせようと試みている事実を滴滴の状況は裏付けている」と述べる。

  ブルームバーグの集計データによると、今年発表された中国または香港を本拠とする企業による申請中の米上場件数は34件と記録的なペースとなっているが、中国政府の新たな締め付けが投資家心理を冷やす可能性もある。

  セーフハウス・グローバル・コンシューマー・ファンドのドバイ在勤ポートフォリオマネジャー、シャリフ・ファーハ氏は、アント・グループに対し昨年行ったように今回も「中国政府はIPOを中止させることもできただろう」が「代わりに世界の投資家に苦痛を与え、多くの外国人投資家との信頼関係を壊した」と指摘した。

  セーフハウスは調査対象となっている3社のどのIPOにも参加しなかったが、「幾つかのファンドが撤退を検討するということは想像できる」と同氏は話している。

  アントのIPOは昨年11月、上場直前で中止された。

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