(ブルームバーグ): 中国の配車サービス大手、滴滴グローバルの米国預託証券(ADR)が7日の取引で3日続落し、上場来最安値を更新した。中国当局は、海外上場する企業が利用してきた抜け穴をふさぐことを検討していると報じられている。

  ニューヨーク市場で同社のADR終値は4.6%安の11.91ドル。前日の取引では20%下落しており、現時点で米新規株式公開(IPO)価格(14ドル)を15%下回っている。IPOは中国企業の米上場としては史上2番目の規模だった。時価総額は6日だけで約150億ドル(約1兆6600億円)減少し、今週に入り計170億ドル余りが失われた。

滴滴のADR急落、公開価格下回る−中国当局の締め付け強化が直撃

  インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「中国政府は、自らの最善の利益と考える行動を取るということを極めて明確にした」とし、「これは中国に投資できる、あるいは投資すべきだとの考え方を排除するものではなく、求められるリスクプレミアムが変わるということだ」と指摘した。  

  中国の規制当局は、たとえ本土外で法人登記されている場合でも、中国企業の海外上場を阻止できるようルール変更を計画しており、これは中国の大手テクノロジー企業が長年利用してきた手段を封じ込めるものだと、事情に詳しい複数の関係者が語った。

中国、国外上場の抜け穴ふさぐルール変更を計画−関係者

  匿名で語った同関係者によると、上場規定の変更には国務院の承認が必要だが、変動持ち分事業体(VIE)モデルを活用して既に上場している企業にも影響が及ぶ可能性がある。

  一方、滴滴のADRにはニューヨークとロサンゼルスの連邦裁判所に6日遅くに提起された2件の米株主訴訟も逆風となった。株主側は同社がサイバーセキュリティーに関する法律や規則の順守に関して中国当局と協議中であることを開示しなかったと主張し、程維最高経営責任者(CEO)ら複数の同社幹部のほか、IPO主幹事のゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレー、JPモルガン・チェースを訴えている。

  中国国家インターネット情報弁公室(CAC)は2日、滴滴の調査に着手したと発表し、その2日後にはアプリストア運営各社に対し、滴滴を提供アプリのリストから除外するよう命じていた。

中国のネット規制当局、滴滴を除外するようアプリストアに命じる

  滴滴とゴールドマン、モルガン、JPモルガンにそれぞれコメントを求めたが、返答は得られなかった。

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