(ブルームバーグ): Zホールディングス(ZHD)が個人向け社債の発行を検討している。LINEなど傘下企業のブランド知名度を生かすとともに、これまで行ってきた機関投資家向け社債の発行を通じ、個人に受け入れられる利率の提示や一定の需要を確保できると判断した。

  坂上亮介最高財務責任者(CFO)がブルームバーグのインタビューに応じ、明らかにした。坂上氏は「LINE、ヤフー、ペイペイは一般ユーザーになじみが深い」と、ZHDが展開する事業と個人投資家との親和性に言及。今後は「個人向けリテール社債をスタディーしていきたい」と述べた。既に証券会社からの提案を受けているという。

  また、これまでの機関投資家向け社債の発行を通じ、利率や流通市場での動きなどのエビデンス(証拠)が構築され、個人投資家に説明する上での「信用、信頼が固まった」ともみている。

  親会社のソフトバンクグループは、孫正義社長がオーナーを務めるプロ野球チーム名を愛称に使った個人向けの無担保普通社債「福岡ソフトバンクホークスボンド」を定期的に発行している。

  ZHDでは従来、機関投資家向けの債券発行と銀行からの借り入れで資金調達を行ってきた。7月に入り総額1000億円の起債を発表。これには国内インターネット企業では初となる環境債(グリーンボンド)200億円も含まれる。

ZHDが環境債など総額上限1000億円の社債を発行へ−主幹事

  グリーンボンドは主に国内の機関投資家向けに販売し、19日の週に条件決定を行う。調達資金のうち約50億円は、福岡県北九州市で省エネルギー化につながるデータセンターの建設に使う計画だ。ZHDの発行体格付けは、格付投資情報センター(R&I)が「A+」、日本格付研究所(JCR)が「AA−」としている。

  一方、ZHDの株価は年初来5.4%下落(15日現在)と、7.5%上昇したTOPIXとは対照的に軟調な値動きだ。時価総額は約4兆5200億円。同社は3月にLINEとの経営統合が完了し、その後個人情報の保護で不備が見つかった。

  坂上CFOは「こんな時価総額では満足していない」と述べ、インターネット業界のリーディングカンパニーとして事業を成長させ、株価を上げることで「既存の株主の方に報いる」と企業価値の向上に意欲を示した。目標とする時価総額規模については言及を避けた。

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