(ブルームバーグ): 中国の6月の生産者物価上昇率は、約13年ぶりの高い伸びだった前月に比べ鈍化した。ドル高や政府の措置が商品相場の落ち着きにつながった。

  国家統計局が9日発表した6月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比8.8%上昇。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値と同水準。5月は9%上昇だった。

  消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.1%上昇と、前月を下回った。エコノミスト予想中央値は1.2%上昇だった。

  1年余り上昇してきた世界の商品相場は6月にほぼ横ばいとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派傾斜が米ドルを押し上げ、ドル建てが中心の商品相場を圧迫している。中国の規制当局は物価抑制に向け、商品先物の買い持ちを減らすよう商品取引会社に求めるなど、幾つかの措置を講じた。

  JPモルガン・チェースの中国担当チーフエコノミスト、朱海斌氏は「中国のインフレ圧力は主にPPI側にかかっており、実際にはピークアウトしつつある。年後半は緩やかに鈍化する」と予想。中国の商品需要は投資の冷え込みで年後半に鈍る一方、米国からの押し上げも減る可能性があり、非鉄金属価格の緩やかな減速につながるとの見方を示した。

  物価圧力の緩和で政策当局者は一層の景気支援策を打ち出す余地が増える可能性がある。中国政府は今週、商品相場上昇の影響への対応で企業を支援するため、預金準備率引き下げの可能性を示唆した。

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  この日発表のデータは、6月の製造業購買担当者指数(PMI)の投入価格と卸価格の指数がいずれも低下したのに沿ったものだ。前年同月は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)から経済が回復し始めていた時期であり、比較基準が高めであることもインフレを抑えた可能性が高い。

(統計の詳細やエコノミストのコメントを追加して更新します)

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