(ブルームバーグ): 中国当局が同国企業による米国での新規株式公開(IPO)に対して締め付けを強化したことで、上場予備軍の急拡大は危うくなっている。

  テクノロジー企業などの米国上場に中国当局が厳しい姿勢を取る中で、ここ1週間に医療データ会社とフィットネスアプリ企業、電子商取引プラットフォームを展開する企業が米国でのIPO計画を延期した。ブルームバーグの集計データによれば、香港や中国に拠点を置きニューヨーク上場を予定する中国の民間企業は他に70社程度ある。

  中国企業の米IPOへの政府の監視強化は、自国や香港で上場基準を満たせそうにない中小規模の成長企業の多くに厚みと流動性ある市場での株式公開の道を閉ざすことになる。

  大企業も影響を受けている。事情に詳しい関係者によると、短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)は、データセキュリティー要件を巡り中国政府当局と今年協議した後、IPO前に要件を確実に順守するよう取り組んでいる。

バイトダンス、データ問題などで中国当局と定期的に協議−関係者 (1)

  ジュリアス・ベア・グループの株式戦略責任者、マチュー・ラシュテー氏は「海外上場やデータセキュリティー・リスクに関する最近の動向は、中国のテクノロジーセクターに下振れリスクをもたらした」と指摘した。

  ブルームバーグのデータによれば、今年これまでに米国上場した中国企業は37社で、調達額は合計130億ドル(約1兆4300億円)。2020年全体の合計に届く勢いで、1年のこの時期としては過去最高。

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