(ブルームバーグ):

米国は今週、米企業に対し、香港で事業を行うことのリスクが高まっていると警告する。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。米政権は中国政府による香港締め付けに対する圧力を強めようとしている。

  関係者2人によると、米政府が指摘するリスクには、香港で外国企業が保管するデータに中国政府がアクセス可能である点などが含まれる。こうした動きについては、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が先に報じていた。

  対中制裁に従った企業などに中国政府が報復できるようにする新法も米国の懸念材料だと、関係者は述べた。ホワイトハウスはコメントを控えた。

  中国外務省は13日、こうした報道についての質問に対し、香港問題への干渉には反対するとの見解を改めて示した。趙立堅報道官は、香港国家安全維持法(国安法)の下で香港は以前より安定したと記者団に述べた。

  同省の駐香港特派員公署は14日の声明で、米国は国安法と香港のビジネス環境を中傷し、米企業を含め国際的な企業に誤解を与えようとしていると主張。外国人投資家にとっての香港の事業環境は国安法施行後に安全性が高まったほか、一段と安定し予想しやすくなったと論じた。「中国の発展を抑え込もうと『香港カード』を用いる邪悪な意図は明らかだ」とコメントした。

  関係者によると、今回の米国の動きは、ホワイトハウス当局者らがインド太平洋地域を対象にしたデジタル貿易協定の提案を協議しているタイミングとも重なっている。

  米政権がインド太平洋のデジタル貿易協定案を検討−中国に対抗

  バイデン政権が中国の人権問題に欧州と一体となって取り組もうとする中、米中関係は緊張が高まっている。中国はこの日、イエレン米財務長官が対中「統一戦線」を訴えたことを批判。趙報道官は「イエレン財務長官の発言を強く非難し抗議する」と述べた。

  イエレン財務長官、米欧関係の修復推進−対中国・ロシアで協調訴え

  こうした中、シャーマン米国務副長官は7月下旬に北京訪問を予定している。副長官の予定に詳しい関係者2人が明らかにした。

(5段落目に中国外務省駐香港特派員公署の声明を追加して更新します)

©2021 Bloomberg L.P.