(ブルームバーグ): インフレリスクと金融当局が取りそうな政策対応に対する懸念の高まりが、米国債先物の利用を縮小させている。

  米国債利回りが最終的に上下どちらに向かうかが不明な中で、一部のトレーダーが取引を減らしたもようで、米国債先物の未決済ポジションの規模が縮小している。一方、現物債の利回りは予想よりも強いインフレ率や入札の不調によって上昇したり、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言で低下したりしている。

  2021年9月限の10年債先物の建玉は13日、1.3%減の415万枚と期近物となって以降の最小だった。5万3000枚の減少は10年債約50億ドル(約5500億円)に相当する。建玉はピークだった6月16日から26万6165枚減少している。

  6月の米消費者物価指数(CPI)は、インフレ持続の可能性は低くまだ金融政策対応を必要としないとする連邦準備制度の姿勢への信頼をさらに弱めた。

  ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁とサンフランシスコ連銀のデーリー総裁はCPI発表後にこうした見解を繰り返し、パウエル議長は14日の議会証言で、インフレに対して拙速に行動することは間違いだと強調した。

  パウエル議長が質問に答えた後に、10年債利回りは一時7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.35%と14日の最低を付けた。

  10年債先物の建玉減少は現物債市場での動きとも一致している。JPモルガン・チェースの最新の週次調査によれば、顧客はネットショート(売り持ち)ポジションを減らしており、中立のポジションを組んでいる顧客の割合は5月上旬以降で最高だった。

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