(ブルームバーグ): 19日の米株式相場は大幅続落。新型コロナウイルスのデルタ変異株感染拡大が景気回復に暗い影を投げ掛ける格好となり、逃避先資産の買いが強まった。米国と中国の間で緊張が高まったことも重し。

  今年の株高の原動力となってきた経済活動再開を材料としたトレードの巻き戻しで、この日はシクリカル銘柄が大きく下落。S&P500種株価指数は素材や金融、資本財を中心に下げ、2カ月ぶりの大幅安となった。ダウ工業株30種平均の下げは昨年10月以来の大きさとなったほか、小型株で構成するラッセル2000指数は3月に付けた高値からの下げが10%近くに拡大した。最近コロナ禍前の水準に低下していたシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は急上昇した。

  S&P500種は前週末比1.6%安の4258.49。ダウ平均は725.81ドル(2.1%)安の33962.04ドル。ナスダック総合指数は1.1%下落。

  米国債相場はリスク回避のセンチメントが世界的に広がる中、長期債の利回りが2月以来の低水準となった。ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.19%。一時は1.17%まで下げた。

  オアンダのシニア市場アナリスト、エド・モヤ氏は「デルタ変異株の感染拡大が安全への逃避を引き起こしており、リスク回避がしっかり定着している」と指摘。「業績や経済成長、金融緩和策のピークに関しては『これが限界』という見解でウォール街が一致していたことを踏まえれば、株安の機は熟していた。今やリスクの高い資産を短期的に保有するのは難しい」と述べた。

  外国為替市場では、円とドル、スイス・フランが他の主要通貨に対して堅調。デルタ変異株を巡る懸念を背景に、安全逃避需要が高まった。一方、カナダ・ドルなどは大きく下落。原油安が響いた。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%上昇。一時は0.5%上げる場面もあった。ドルは対円では0.6%安の1ドル=109円46銭。ユーロは対ドルで0.1%安の1ユーロ=1.1800ドル。ドルは対カナダ・ドルで1.1%高の1ドル=1.2750カナダ・ドル。

  ニューヨーク原油先物相場は大幅反落。コロナ感染再拡大で世界的な景気回復への投資家の信頼感が揺らぐ中、金融市場全体の中でも特に原油は強い売り圧力を受けた。石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」が原油供給を段階的に増やすことで合意したことも相場の重し。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物8月限は前営業日比5.39ドル(7.5%)安の1バレル=66.42ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント9月限は4.97ドル安の68.62ドル。

  ニューヨーク金相場は下落。ただこの日の安値からはやや戻した。ドルが上げを縮めたことが背景。金スポット価格はニューヨーク時間午後2時4分現在、前営業日比0.2%安の1オンス=1807.72ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は0.3%安の1809.20ドルで終了した。

Dollar, Yen Rise on Haven Demand; Oil Weighs on CAD: Inside G-10(抜粋)

Oil Leads Market Plunge as Virus Rattles Faith in Recovery(抜粋)

Metals Slump With Virus Fears Weighing on Global Growth Outlook(抜粋)

(相場を更新し、市場関係者のコメントを追加します)

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