(ブルームバーグ): 7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年同月比2.4%上昇し、前月の2.2%上昇から伸び率が拡大した。エネルギーや原材料価格の高騰に伴う価格転嫁が進む中、4カ月連続で日本銀行が目標とする水準の2%を上回った。総務省が19日発表した。

  伸び率は2014年12月以来の大きさで、消費税率引き上げの影響を除くと08年8月以来の高水準となる。上昇は11カ月連続。

  生鮮食品を除く食料は3.7%上昇と6月の3.2%上昇から伸びが加速。15年3月(3.8%上昇)以来の上昇率で、消費増税の影響を除くと09年1月(3.7%上昇)以来の高水準だった。エネルギー価格は16.2%上昇に前月から伸びが鈍化したものの、引き続き上昇寄与が最も大きかった。  

  これまでの急激な円安の進行もあり、価格転嫁の動きは今後も続く見通しだ。帝国データバンクが食品会社を対象に行った調査によると、10月には年内で最多の6000品目超で値上げが予定されている。

  日銀は7月21日公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で、2022年度のコアCPIの対前年度見通しを従来の1.9%から2.3%に上方修正したが、その後は伸び率が縮小に向かうとの見方を維持した。会見で黒田総裁は、持続的・安定的な物価上昇には、今後の賃金の上昇が不可欠との認識を示し、日銀として「引き続きしっかりと経済を支えるために金融緩和を続けていく必要がある」と強調した。

エコノミストの見方

農林中金総合研究所の南武志主席研究員:

上昇要因は資源高と円安。原油高はラグ伴って電気・ガス、穀物高で加工食品や外食がさらに高まる携帯電話通信料は昨年の押し下げ効果が残っており、8−10月に0.2%程度上乗せされてくるコアCPIは2%台後半、もしかしたら3%をうかがう可能性も黒田東彦総裁の下では日銀はアクションを起こさない、今まで通り賃金上昇に伴う物価上昇が起きるまでは現行の緩和策を続ける原油価格が下がってきており、今後エネルギーが押し下げ要因になる可能性と米国が利下げを選択した場合に円高に振れる可能性を配慮すると、コアCPI2%が定着したとは言い難い

詳細(総務省の説明)

原油価格の上昇と円安の影響を反映し、エネルギーと食料が消費者物価を引き上げており、引き続き動向を注視する必要があるコアCPIの伸び率が前月から拡大したのは、生鮮食品除く食料と携帯電話機の値上げの影響生鮮食品除く食料は食パンとアンパンの値上げの影響が大きい。小麦など原材料価格が上昇する中、7月出荷分から価格改定が行われた。携帯電話機はスマートフォンの端末代が7月に値上げされたためコアCPIの522品目中、7月に値上げされたのは376品目。6月は365品目だった。上昇品目数の増加は8カ月連続で、幅広い品目で上昇している今年2ー4月の燃料費の上昇を反映して電気代とガス代が前月から前年比上昇率を拡大する一方、ガソリンや灯油が政府による補助金の影響で値上げが抑制されており、エネルギー全体の影響は前月から中立となった携帯電話通信料の影響は昨年8月と10月の値下げ分が残っている。このはく落によって今後の消費者物価を0.36ポイント押し上げる可能性がある

(詳細とエコノミストコメントを追加して更新しました)

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