(ブルームバーグ):

米政府は英国や日本など同盟国と共に、米マイクロソフトに対するサイバー攻撃は中国政府に関係するハッカーが行ったとの見解を正式に示した。バイデン政権高官によると、日本もこの対中非難に加わっている。

  米国とその同盟国グループは19日、官民の組織に対する一連の悪質なランサムウエアやデータ窃盗、サイバースパイ攻撃には中国政府の関与があると発表。こうした攻撃には今年起きた「マイクロソフト・エクスチェンジ・サーバー」への不正侵入も含まれている。

マイクロソフト、中国拠点の国家ハッカーがサーバーに侵入と警告

  ラーブ英外相は同日の声明で、「中国政府はこうした組織的なサイバー妨害工作をやめなければならない。やめないなら、責任が問われることになる」と主張。米ホワイトハウスは欧州各国と協力して中国の活動規模を明らかにし、対抗措置を講じると表明した。

  欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のボレル副委員長(外交安全保障上級代表)は、サイバー攻撃は中国から仕掛けられ、EUの「政府機関と民間企業にセキュリティーリスクと多大な経済損失をもたらした」と指摘した。

  バイデン政権の高官によれば、同盟国グループには日英のほか、オーストラリアとカナダ、ニュージーランド、北大西洋条約機構(NATO)が含まれており、NATOがサイバー攻撃で中国を非難するのは初めてとなる。

  バイデン大統領は19日、ホワイトハウスで記者団に、調査はまだ終わっていないが中国政府に責任があると発言。「中国政府はロシア政府と異なり、自らは行っていないが、実行している人をかばっており、その便宜を図っている可能性さえある」と指摘した。

  一方、中国のEU代表部は20日発表した談話で、中国領内から行われているとする「悪意あるサイバー活動」に関するEUとNATOの声明に対して断固反対すると表明。一連の主張は事実や証拠ではなく、「臆測や事実無根の非難」に基づいていると反論した。

  また、中国はNATOについて、サイバーセキュリティーなどの問題を口実に地理的・領域的な制約を乗り越え拡大を試みているとして動向を注視していると指摘した。

  中国外務省の趙立堅報道官は北京で20日開いた定例記者会見で、マイクロソフト・エクスチェンジへのハッカー攻撃に中国が関係しているとの主張は米国による中傷であり、証拠に欠けると述べた。

(最終段落に中国外務省報道官のコメントを追加して更新します)

©2021 Bloomberg L.P.