(ブルームバーグ): 中国恒大集団に対する投資家の信頼感が急低下している。不動産開発企業として世界最大の債務負担を抱える同社が資金繰り難に見舞われる兆しが広がりつつある。

  香港に上場する中国恒大の株価は20日も大幅下落。前日も含めた2営業日の下落率は20%を超えた。特別配当期待を背景とした先週の値上がり分は吹き飛んだ。

  同社が本土内外で発行した社債の一部は最安値を更新。2025年償還のドル建て債は額面1ドルに対して54セントまで下げた。中国恒大による影響の波及を巡る懸念が広がる中で、他のジャンク(投資不適格)級発行体の債券も値下がりしている。

  中国恒大の財務を巡っては以前から疑念がくすぶっていたが、オンショア部門の恒大地産集団などで1億3200万元(約22億3500万円)相当の銀行預金が凍結されたほか、湖南省邵陽市の当局が中国恒大による預託口座での資金の扱いが適切でないとして住宅販売の停止に一時踏み切るなど、今週に入り不安が一気に広がっている。

  邵陽市がその後、販売停止措置を解除したことで20日の中国恒大株の下げはやや縮小した。だが、同社の負債は昨年末時点で3010億ドル(約33兆円)相当まで膨らんでおり、巨額の返済に十分なペースで不動産など資産を売却できていないとの投資家の懸念は根強く残っている。

  債券ファンド、北京柏治投資の馬棟パートナーは「中国恒大の債務リスクは急速に積み上がっている」と話す。

  中国恒大は過去の流動性危機を無傷で脱してきたが、習近平指導部がデフォルト(債務不履行)を許容するようになる中で、今回は異なると警戒する投資家もいる。

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