(ブルームバーグ): 新型コロナウイルスのデルタ変異株感染拡大に伴い、米経済へのリスクが高まる状況にあって、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長ら金融当局者は、景気支援のための異例の緩和策の段階的縮小に辛抱強く臨む姿勢を強調することになりそうだ。

  27、28日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)会合でも金融当局は事実上のゼロ金利据え置きを決め、月額1200億ドル(約13兆1800億円)の債券購入を続ける方針をあらためて示すのがほぼ確実とみられている。

  米東部時間28日午後2時(日本時間29日午前3時)にFOMC声明が公表され、パウエル議長が2時半から記者会見する予定。今回は四半期経済予測の公表はない。

  メロン・インベストメンツのチーフエコノミスト、ビンセント・ラインハート氏は「パウエル氏は辛抱強い人物であり、辛抱強くあるべき根拠が大いに力を増している。パンデミック(世界的大流行)を当局者は当然心配しており、経済指標の動向には満足だが、まだ先は長い」と語った。

  金融刺激策解除の時期を遅らせる根拠は最近の市場の情勢からも強まっている。デルタ株流行が世界的な成長の脅威になりかねないとの投資家の不安を背景に6月15、16日開催の前回FOMC会合以降、米10年債利回りは市場が織り込む予想インフレ率と共に低下している。

  今回のFOMCの中心的なテーマは債券購入のテーパリング(段階的縮小)に関するものだろう。具体的には、開始時期や実施期間のほか、住宅市場の相場高騰を考慮して住宅ローン担保証券(MBS)のテーパリングを一段と速めのペースとするかどうかなども話し合われる見込みだ。

  さらに利上げ開始までにテーパリングのプロセスを完了するかどうかという問題もある。6月に公表された金融当局者の金利予測分布図(ドット・プロット)中央値によれば、2022年いっぱいは現行のゼロ近辺での金利据え置きが予想されていた。

 

  元FRBエコノミストで、現在はマクロポリシー・パースペクティブズ社長のジュリア・コロナド氏は、前回の資産購入プログラムからの「出口」の場合と同様にFOMCがプログラム解除のための一連の正式な指針を取りまとめる可能性があるとの見方を示した。

  FOMC声明は、経済成長についての前向きな見通しを引き続き反映するものとなりそうだ。また、インフレ高進を認める一方で、物価上昇は主に一時的な要因によるものだとする判断を重ねて示すと想定される。

  パウエル議長は記者会見で、FOMC参加者がテーパリングに関する議論を続けていることを認めた上で、辛抱強い姿勢と完全雇用達成へのコミットメントを強調する公算が大きい。

©2021 Bloomberg L.P.