(ブルームバーグ):

バイデン米大統領は3日、ニューヨーク州のクオモ知事(民主)によるセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)疑惑を巡り、複数の女性へのセクハラ行為があったとする調査報告書の発表を受けて、同知事に辞任を呼び掛けた。この問題では計11人の女性がセクハラ被害を受けたと主張している。

  同州のジェームズ司法長官(民主)は3日午前の記者会見で、クオモ知事が州の現・元職員、さらには州政府外の女性に対し、同意を得ずにキスやわいせつな行為に及んだと指摘。また知事とスタッフは、行為について告発した元職員の少なくとも1人に対して報復したという。

  ジェームズ長官は、クオモ知事の行為で生じた雰囲気が職員を「おびえさせ」、知事が連邦法と州法の両方に違反したとしており、大統領やペロシ下院議長を含む与党民主党および野党共和党の有力政治家から知事辞任を求める声が上がった。

  バイデン大統領はホワイトハウスで記者団の質問に対し、クオモ知事について「彼はやめるべきだ」と答えた。ペロシ議長も声明で、「知事がニューヨーク州を愛し、職務を大事にしている点を評価するが、彼には辞任を求める」とコメントした。

  これに対しクオモ知事は午後の記者会見で、「私が誰かに不適切な形で接触したり、みだらな要求をしたりしたことは決してない」と調査報告書の内容を否定し、85ページもの反論を公表した。

  ニューヨーク州議会のヒースティー下院議長(民主)は、クオモ知事の弾劾調査を行っている司法委員会が「非常に近いうちに新たな発表を行う」と説明。ジェームズ長官は州議会下院の調査に協力していることを声明で明らかにした。

  ニューヨーク州の法律では、州司法長官による刑事訴追には大部分のケースで知事の関与が必要で、その権限は限られている。ジェームズ長官は、地検当局が今回の調査報告書に基づき知事訴追を目指すことが考えられるほか、セクハラの被害者が知事を相手取り民事訴訟を提起する選択肢もあるとした。

  クオモ知事は新型コロナウイルスの感染拡大の初期対応で、リーダーシップが高く評価され将来の民主党大統領候補の1人と目されたこともあったが、セクハラ被害などで非難され評判を落とした。

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