(ブルームバーグ): ソフトバンクグループが4−6月期(第1四半期)に米ネットフリックスなど140億ドル相当(約1兆5000億円)の上場株式を売却したもようだ。売却益を人工知能(AI)関連のスタートアップに再投資するなど、資金の循環が顕著になってきている。

  ブルームバーグが米国証券取引委員会(SEC)に提出された四半期ごとの株式保有報告書「フォーム13F」を基に試算したところ、米フェイスブックやマイクロソフト、アルファベット、セールスフォース・ドットコムなど60億ドル相当、ウーバー・テクノロジーズ、ドアダッシュで40億ドル相当の株式が売却された。

  孫正義社長は保有株の売却などにより、ビジョン・ファンドを通じて未上場のテクノロジー企業への再投資を加速するエコシステムを確立しつつある。ソフトバンクGは2号ファンドへの出資コミットメントを400億ドルに増やし、孫社長自身も共同出資によりリスクとリターンを共有する。

ソフトバンク孫氏、ファンド投資の「エコシステムできつつある」

  東京に拠点を置く投資調査会社のレッドエキス・ホールディングスのアナリスト、カーク・ブードリー氏は10日付のリポートで「前四半期にはビジョン・ファンドのポートフォリオ企業が上場できる能力を持つことが確認されたが、新しく浮上したテーマはソフトバンクGが現金化を始めているということだ」と指摘した。

  ソフトバンクGでは、投資先企業の売却株式数を開示しているが、調達額については明らかにしていない。ブルームバーグは各社の期中平均株価に売却株数を乗じて金額を算出した。

  ソフトバンクGはブルームバーグの取材に対し、コメントを控えるとしている。同社は資産売却額の詳細について開示していないが、ビジョン・ファンドなどが前四半期に43億ドルの実現益を計上している。

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