(ブルームバーグ): 中国共産党は同党の経済政策で「クロスシクリカル(跨周期)」という新たなキャッチフレーズを用いている。政府顧問が言うには、これまでより早めかつ小さめの措置でより長い時間軸を念頭に置いて行動するアプローチを意味する。

  つまりは「カウンターシクリカル(逆周期)」からの脱却だ。中国人民銀行(中央銀行)や各省庁の従来戦略は、利下げや減税、インフラ投資拡大などの刺激策で減速しつつある景気を支え、成長が加速し始めれば、引き締めるというものだった。

  当局は「クロスシクリカル」政策の概要を示していないが、政府と関係の深い何人かのエコノミストは、景気変動をスムーズにするため、先手を打った穏健な行動を取ることが目標だと述べている。

  こうした説明が暗示しているのは、一部の領域では制限を維持し、他の領域では緩和するということだ。人民銀は最近、流動性を高めるため市中銀行の預金準備率を引き下げる一方、不動産相場を抑えようと規制を強化した。こうした行動が、共産党の新たな政策スタンスを浮き彫りにしている。

中国の不動産規制強化、共産党の新たな方針示唆−国民の不満に対応

  中国社会科学院傘下のシンクタンク、国家金融・発展実験室(NIFD)の張暁晶氏はクロスシクリカルなアプローチについて、当局が政策手段を検討する際、これまでより長い時間軸で経済パフォーマンスを考えることを示唆していると指摘。

  「政策当局は足元のボラティリティーを静観し、経済を次の2、3年にわたり確実に軌道上に保つことを狙っている」とし、今年これまで地方政府の借り入れペースが鈍っていることにも、こうした方向が反映されているとの見方を示した。

  張氏はまた、中国がなぜ最近インターネットのプラットフォームや民間の教育企業を締め付け、二酸化炭素排出の削減や出生率引き上げ、都市化拡大といった政策を推し進めているかについても、時間軸の長期化でその理由が説明できると話した。

 

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