(ブルームバーグ):

京都大学発スタートアップのメトロウェザー(京都府宇治市)は、米航空宇宙局(NASA)の研究開発プロジェクトに参加する。観測したデータを活用して風速や風向を予測し、ドローン運航の安全確保につなげるのが狙いだ。古本淳一CEO(最高経営責任者)がブルームバーグの取材で明らかにした。

  メトロウェザーは2022年3月から、NASAの実験場で高性能の小型風況観測機器「ドップラー・ライダー」を使い、ドローンの運航に必要な風況の実況や予測を行う計画だ。ただし、これには協業先の米トゥルーウェザーとNASAの承認が必要になる。

  世界全体の市場規模が数兆円に拡大するといわれるドローンは、インフラ点検、メンテナンス、物流などの幅広い活用が期待される。

  その一方、地上付近の風は乱れが大きく致命的なリスクとなっている。メトロウェザーは大気中にレーザー光を発射しちりや微粒子などエーロゾルからの反射光を受信することで風速、風向を観測する。

  空中を自動運航して荷物の配送などに活用できるドローンは技術の進歩で実用段階に近づいており、米アマゾン・ドット・コムやユナイテッド・パーセル・サービスなど大手企業も取り組みを進めている。そうした中で、安全面の確保が大きな課題となっている。

  京大生存圏研究所助教だった古本CEOは、15年にメトロウェザーを設立。インタビューで、ドローンはメディカル用途や血液など「その場に、その時間に届かなければどうしようもないものを運ぶ」など「社会性が高い」と指摘した。

  メトロウェザーは市場規模の大きい米国に進出するため、年末までに数億円規模の資金調達を予定している。また、25年以降の新規株式上場(IPO)も視野に入れている。

  古本CEOは自社の事業のポイントは「風を見える化する」ことだと話す。「風は吹いているのは分かるが気にしていない人は多い」と述べ、風が定量的にどれくらい吹いているかを可視化、不安定な運航をなくすことで「空の安全」につなげたいと語った。

(メトロウェザーからの追加情報の提供により第2段落に説明を追記します)

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