(ブルームバーグ): 中国で習近平国家主席が提唱する「共同富裕」の取り組みに、決算報告の中で言及する上場企業が増えている。民間セクターは格差是正に向けた指導部の動きに足並みをそろえようと努めている。

  中国の保険最大手、中国平安保険(集団)やフードデリバリーの美団、国有の中国銀行など少なくとも73社が先月31日までの2週間で、上場先の香港や上海、深圳の証券取引所に提出した株主向けの資料で共同富裕に触れた。

  これはブルームバーグ・ニュースが調査した4000余りの届け出の2%弱を占めるにすぎないが、最も有力な国内企業の一部も含まれる。

  習主席による格差是正の取り組みは本土経済に衝撃を与え、相場の急落を招く一方、国内富裕層の相次ぐ寄付表明のきっかけにもなった。共産党総書記を兼ねる習氏が主宰した先月30日の会議は、改革が進められる中で「党の指導に従うよう各企業に促す」ことを当局者にはっきり求めた。

習主席の共同富裕、アリババ本拠に手掛かり−現実路線で格差是正

  習主席が進める改革の一環として規制強化の監督対象に入っている美団は届け出で、同社は「拡大する社会のため共同富裕を促進する」と説明。創業者の王興氏は8月30日の決算発表後の電話会見で、美団という社名は文字通り訳すと「共により良くしよう」という意味になるとし、共同富裕は同社のDNAに組み込まれていることを示すと述べた。

  また、美団の事業を巡る独占禁止法の調査が進む中で、多額の罰金が科される恐れがあるとも王氏は話した。

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