(ブルームバーグ): 米ウォール街の大手銀行は従業員に新型コロナウイルスワクチン接種を受けるよう圧力を強めているが、その一方で、当局者が接種義務化反対を明言しているテキサスなどの州と衝突しかねない方針の採用は控えている。

  銀行を含め大企業の危機管理などを支援するエマージェンシー・マネジメント・アンド・セーフティー・ソリューションズの創業者、レジナ・フェルプス氏は「私の顧客の中には可能なら接種を義務化したいが、踏み切れない企業がいる」とした上で、「一部の顧客は、接種義務化が近いと従業員が予想するのではないかと考えて社内調査を行うことさえも不安に感じている」と説明した。

  米大手行の大半はワクチン接種に積極的なニューヨーク・マンハッタンに本拠を置いているものの、以前から一部の職をテキサスやフロリダ州などに移転させてきた。テキサス州のアボット知事は州内の全政府機関に対し、ワクチン接種義務化を禁止する州知事令に署名。フロリダ州のデサンティス知事は、入館者にワクチンパスポートを義務付ける企業に異議を唱えた。

  こうした知事の動きにより、大手銀が従業員のワクチン接種を義務化した場合、政治的な批判を招く恐れが高まっている。

  シティグループは、ニューヨーク、ニュージャージー両州の従業員に対してはワクチン接種を義務付けた上で9月半ばからの週2日以上のオフィス勤務を求めているが、テキサス、ミズーリ、ケンタッキーの各州のオフィスについては州内の感染データを理由にオフィス勤務を再開していない。

 

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